博物館の収蔵品が年々、増え続けている。一方、収蔵庫には限りがあり、プレハブ倉庫に仮置きしている博物館もある。背景の一つに少子高齢化や過疎化による寄付や寄託で収蔵庫が圧迫されていることが挙げられる。まちの文化や歴史を伝える重要な品々を将来へつなぐためにはどうすれば良いのだろうか。 「本当は収蔵庫にきちっと収めてあげたいんですが…」。京都府立丹後郷土資料館(京都府宮津市国分)学芸員の青江智洋さん(39)はプレハブ倉庫の一角に保管する蚕糸業関連資料を眺めてつぶやいた。同館は来年、開館50周年を迎える。館内収蔵庫3棟は飽和状態で、温湿度管理がままならないプレハブ倉庫6棟を「屋外収蔵庫」として利用している。 青江さんによると「地域で管理できない寺の道具や取り壊す空き家の農具を寄付したいという申し出は増えている」。博物館への期待がますます高まる一方、受け入れを断念する場面も少なくない。同館はリニューア