閉館の危機にあった兵庫県宍粟市一宮町福野のサンパティオ図書館が、25日から週2回のペースで再開することになった。近くに住む保育士の飯田里美さん(54)が施設を借り、館内にブックカフェ「ハピネス」を開設。カフェの収入で経費を賄いながら、住民や子どもたちが気軽に立ち寄れる場として運営する。 同館は1997年にハリマ農協(同市一宮町)が開いた全国的にも珍しい民営図書館。蔵書は約4万冊あり、特に約1万800冊の児童書は種類が豊富で、現在では手に入らない貴重な本もあるという。 一宮町北部では唯一の図書館として住民らに親しまれていたが、同農協の経営見直しで昨年10月から休館。新たな運営者を募集し、見つからなければ閉館する予定だった。 飯田さんは12年前に同農協を退職し、一宮町内の公立保育園で保育士として勤務していた。ここ数年で一宮町北部から診療所やスーパーなどが次々と姿を消す中、なんとか図書館を守りた
笛の名手で美少年。源平合戦で非業の死を遂げたと伝わる平敦盛。その供養塔「敦盛塚」(神戸市須磨区一ノ谷町)の隣にある「敦盛そば」が存続の危機に直面している。例年3月上旬、同塚では慰霊の「敦盛祭」が営まれ、全国から訪れた歴史ファンが、敦盛そばを食べるのが定番ルートだった。店内には源平合戦に関する資料も多数残るが、昨年3月に店主の天野本常さんが病気で亡くなり、以降、休業状態のままだ。遠方で暮らす本常さんの妹は、「このままでは店が荒れ果てる」と継いでくれる人を探している。(伊田雄馬) 同塚は室町時代ごろに建立されたとされる。園田学園女子大学名誉教授の田辺眞人さんは「須磨の歴史散歩」(須磨区役所発行)で「西国街道の旅人や大名行列も、ここにあった茶屋で休息をとり、名物敦盛そばを食べた」と記している。1804年に訪れた文人・大田南畝蜀山人も、同塚やそばに触れた手記を残すなど、江戸時代からこの地のシンボル
「だから新聞社はダメなんだ」「ユーザー目線がない」…。1カ月ほど前に書いた「新聞社のネット記事って、英数字はなぜ全角?」への反響は、それは厳しいものだった。取材に応じた神戸新聞ネクスト編集部もさぞ傷ついているだろうと、近寄らないようにしていたのだが、先日、向こうから声を掛けてきた。「15日から半角にするわ」。な、なんやて?(黒川裕生) 前回記事(https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201903/0012161890.shtml)では、新聞社のネット記事で英数字の全角表記が多い理由について、電子版「神戸新聞NEXT」を担当するネクスト編集部に尋ねた。全角が主流になっている事情を説明する中で、「ユーザーから直接要望がこない」ことを理由の一つに挙げたくだりが良くなかったのかもしれない。「言われないからやってません、ということか」などと、ネットユーザーを刺激
「本物ならすごいことになる」-。織田政権下のものとみられる検地帳が兵庫県内の男性所蔵者から持ち込まれたのは一昨年10月だった。県立歴史博物館の前田徹学芸員らは1年半近くをかけ、内容の解読や分析を進めてきた。見えてきたのは、秀吉による「天正8(1580)年播磨検地」の画期的な価値。社会全体を中世から近世へと転換させる政策だったという。 「大もん 九畝(せ) 下 九斗九升 三野村 宗次郎」…。今回発見された検地帳に書かれていた地名や面積、分米高といった項目は、太閤検地として知られる文禄年間の検地帳と一致していた。また斗代(とだい)と呼ばれる1反(当時は約12アール)当たりの米の税率も、上田(じょうでん)で1石3斗(約195キロ)、下田(げでん)で1石1斗(約165キロ)など、文禄期の標準値に近いものとなっており、検地の成熟度を物語る。 名請人の名前は一部を除いて名字がなく、百姓の身分を示す。さ
【上】木が伐採され、土塀も塗り直された現在の明石城【下】茂った樹木に石垣が隠れていた明石城(2018年10月)=いずれも明石市明石公園 今年で築城400年を迎えた明石城(兵庫県明石市)で樹木の伐採や剪定(せんてい)が進められ、これまで木に隠れていた南側の石垣がはっきりと見えるようになった。国指定重要文化財の2基の櫓(やぐら)(坤(ひつじさる)櫓、巽(たつみ)櫓)をつなぐ土塀も白く塗り直され、築城時をしのばせる壮麗な姿を見せている。 明石城は、江戸幕府の直轄事業として1619年、徳川家康のひ孫で初代城主の小笠原忠政(後に忠真(ただざね)と改名)が、義父で姫路城主の本多忠政と共に築城を始めた。天守台は造られたが、天守閣は建てられなかった。JR明石駅のホームからも見える東西約380メートルの石垣と2基の櫓が魅力だが、長年、茂った樹木に覆われて全体が見えにくかった。 そこで築城400年の節目に合わ
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