最近、新しい働き方として労働者協同組合が紹介されることが増えています。労働者協同組合が、一般の企業と異なるのは、働き手は誰かに雇われているのではなく、自分たち自身で組合に出資し、労働や経営を行っているところです。モンドラゴン協同組合企業は、スペインのバスク地方の都市モンドラゴンに基盤をおく労働者協同組合の集まりで、モンドラゴンは60年以上をかけて、疲弊した金属加工労働者の町から、最大の労働者協同組合グループの拠点へと発展してきました。 モンドラゴン協同組合企業の始まりは、1950年代に聖職者のホセ・マリア・アリスメンディアリエタが、自分の教区の若者たちの雇用のため、協同所有による一連の事業開発への思いを持ったことでした。労働者が事業を所有することにより、産み出された富は、労働者と労働者を養いサポートするコミュニティに分配されるだろうと思い描いたのです。 現在では、モンドラゴンから育った約1