今年の一月から四月にかけて、何度か金子金五郎について取り上げた。 出でよ、平成の金子金五郎(=将棋解説者) 無限から有限へのマッピング: ものを書くということ 金子金五郎の将棋解説の真髄とは何か 昭和の名稿「金子教室」 今年一年間、たくさんの棋譜を並べ、たくさんの将棋解説や観戦記を読んだ。現代将棋はどんどん進化している。現代において、対局を検討する将棋連盟やタイトル戦の控え室(将棋の最先端の研究室)では、金子の問題意識とは異質な主題を中心に議論されているのだろうということは、最近少しわかるようになってきた。そういう雰囲気の中からきっと新時代の将棋解説の決定版がいずれ生まれてくるのだろう。 でもやっぱり、僕は金子金五郎に惹かれてやまないのだ。金子の書いたものを読みながら将棋盤に向かうと、心が落ち着くのである。 一局の将棋を構造化して、棋士の魅力、棋譜の魅力を、誰にもわかりやすく語るのだ、とい