「誠意」って言葉、嫌いではありません。むしろ自分のなかで常に「誠意を大事にしよう」という意識がはたらいています。誠意を大事にしようと意識する、ということは、気がつくと自分が誠意的じゃないふるまいをしてしまう人間だから、ということでもあります。だから心の中の壁に、墨字で「誠意」と書いた半紙を貼り付けているのです。結局、私はうしろめたいことをしがちな人間なんですね。人に迷惑をかけがちだし、仕事中にさぼりそうになるし、余った食べ物を捨てたりするし、ゴミの分別をちゃんとせずに再生紙を一般ゴミに混ぜて捨てたりしてしまうし。だからこそ「誠意」「誠意」と自分に言い聞かせるわけです。で、「誠意」ってなんだろう?たまにドラマとかでやくざが「誠意を見せんかい、ごるぁ」と怒ってますよね。ああいうときの誠意は「お金」だったりします。あるいは彼女からもらったマフラーをなくしてしまって、ひと晩じゅう雨のなか、街を探し