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ブックマーク / shinka3.exblog.jp (10)

  • 研究の作法を誰が教えるか | 5号館を出て

    今日は北大の一般入試の後期試験のため、朝は7時前に家を出ました。東区(といっても我が家の近辺が特にひどかったようですが)は、15センチ位の積雪があったため自転車はあきらめて歩いていると白く見えたものは降っている雪ではなく、朝になって気温が下がってきたためかだんだんと濃くなっている霧でした。 今日の試験を最後に、次年度の新入生が最終的に決定することになるのですが、今どきの大学新入生に今まであまり書いたことのないレポートというものを課すると、そもそも何を書いて良いのかわからない、書き方がわからないということで、多くの学生はまずはインターネットで探したものを露骨にコピペしてきます。 最初のうちは、コピペがばれると思ってか、文章をどこから持ってきたかという情報を書いてこない学生が多いのですが、インターネットから引用するのは構わないから必ずどこにあった誰の文章から引用したということを示すようにという

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  • 大卒が就職できないのもポスドクが就職できないのも理由はひとつ | 5号館を出て

    世の中の経済活動は、基的にはすべて需給バランスで動いていると考えても良いのではないでしょうか。 大学卒業生がどんどん多くなっているのに、経済状態はとてもどんどん発展しているという状況ではなく、多くの大学卒業生が望むホワイトカラーの就職先はそれほど増えていません。ポスドクのケースも好意的に考えると、文科省はこれからは学卒ではなく修士卒、博士卒、さらにはポスドクを必要とする企業がどんどん増えてくるだろうから、大学院を充実させ、博士ならびにポスドク経験者を大量に生産しておこうと思ったのかもしれません。しかし、増加する学卒を吸収できない程度の経済発展しかしていない状況のもとでは、さらに高学歴を求める企業はやはり増えなかったのです。 それにしても、新聞・テレビがこぞって同じような報道をするのにはやはりうんざりしますね。こちらが朝日新聞に掲載された、いかに今年の大卒予定者の就職内定率が悪いかというグ

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  • 榎木英介著: 博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? | 5号館を出て

    博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス) 実は私は榎木さんが東大理学部の大学院生の(あるいは学生だった?)頃から存じ上げており、当時まだそれほど一般的でもなかったウェブを使って、アフリカツメガエルを使った発生学研究を発信し続けていたことを今でも鮮明に覚えています。 ウェブサイトの名前は「たまごの部屋」だったような気がしますが、調べてみると今でもここに保存されているようですね。業の「アフリカツメガエルを学ぼう!」以外にも、後輩達のために「大学・大学院入試情報」や、今でいうところのキャリアパスのひとつとして「国家1種公務員の生物受験情報」など、一貫してどうやって大学院を生き延び、その後につなげていくかということを、自分だけではなく仲間達と一緒に考えようとしていた印象が強い方でした。 そうした行動の底を流れていたのが単なる科学至上主義ではない「正義感」であるこ

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  • コンピューターに殺されたタイプライター | 5号館を出て

    大学院に入学した時に、入学祝いにオリベッティのタイプライター(もちろん手動のもの)を買ってもらったことを思い出しました。当時は大学院に入ったら、日語はほとんど使わなくなり、あらゆる公式な論文はたとえ修士論文といえどもすべて英語で書かなければならないということになっていたので、大学院生はおそらく全員がポータブルのタイプライターを持っていたと思います。 しばらくすると、電動タイプライターというものが出現して、それまでの重いキーとは比べものにならない軽さに感動したものですが、値段が高かったため個人で持っている人はそれほど多くなかったと思いますが、研究室には「清書用」のどっしりとした電動タイプがあったものです。 そうこうしているうちに、電動タイプがどんどん進歩して、調べてみるとずいぶん前からあったものらしいのですが、IBMのセレクトリックという電動タイプが研究室に導入されました。これは印字部分が

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    hiromark
    hiromark 2010/10/19
  • 今夜は Swing Jazz でも | 5号館を出て

    今日で全学教育の授業がすべて修了しました。 なんだか疲れておりますので、こんな日は Swing Jazz でも聞いて元気を取り戻しましょう。 Swing と言えば Benny Goodman、Benny Goodman と言えば、まずはこの曲Sing, Sing, Sing ですね。幸運なことに、オリジナル録音盤に近いメンバーによる映画の中の演奏シーンが YouTube にありました。 似たような雰囲気ですが、 Glenn Miller による In the Mood です。 最近はCDやDVDで針のノイズなど知らない人もいるでしょうが、昔のレコードにはこの針のノイズがつきもので、何回も聞いているとどこでパチっという音が入るかなどということも音楽と一緒に記憶したりしていたものです。懐かしの78回転レコードの映像とともに Flying Home をお聞きください。 昔、「Benny Good

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    hiromark
    hiromark 2010/02/09
    いいねえ。
  • 飢えた子の前で科学研究は有効か | 5号館を出て

    「飢えた子の前で文学は有効か」 この言葉に初めて接した時に、人が単なる動物としてのヒトではなく、知性を持った人間であることの意味を考えてみろと言われた気がして、「大学生」になったことを実感した記憶があります。 最近ずっと考えているのが、「飢えた子の前で科学研究は有効か」ということです。 事業仕分け人たちがやろうとしていること、あるいは少なくとも建前として言っていることは、貧困国家である日でその貧困を解決するために、とりあえず税金を使って行う事業のうち、優先順位の低いものを仕分けていくということだと思います。 仕分けられる側が予算を主張するためには、その「論理」に対抗できるだけの「説得力のある理由」が述べられなければなりません。しかも、それがあらかじめ作文されたものではない証拠として、仕分け人と行う真剣勝負のディベートに勝たなければなりません。 全国あるいは全世界にリアルタイムで流されてい

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  • 研究もビジネスである: 島岡要著「研究者の仕事術」 | 5号館を出て

    やるべきことが見えてくる研究者の仕事術―プロフェッショナル根性論 このブログを訪問くださっている方の大多数がすでにご存じではないかと思われる、あの島岡要さんの新刊です。島岡さんは「ハーバード大学医学部留学・独立日記」というブログでもおなじみの方で、もちろんすでにそこでもこののことが紹介されています。 やるべきことが見えてくる研究者の仕事術 島岡さんは、麻酔科医として勤務されていた方ですが、研究への情熱がさめやらず、アメリカへ渡り研究者として独立する道を選んだ方です。 非常に残念なことですが、日政府の高等教育および研究者育成政策のあまりにも明らかな失敗から、今の日においては、日の若い研究者やその卵の方の多くは、たとえ研究者になりたいと思っていてもいったいどのように勉強し、どのように研究し、どのようにキャリアを重ねていけば研究者になれるかということが、ほとんど見えないという状況に置かれ

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    hiromark
    hiromark 2009/08/31
    これから買う。
  • 大学院生は利用され使い捨てられているのか | 5号館を出て

    大学や研究所で、独立した研究者として生きていくことをあきらめた一人のライフサイエンス系の大学院生が、就職活動を始め、就職を決めた後に、論文を書き、博士号も取得でき、そしてこの春から企業の研究所で働くことが決まったそうです。長いこと、お疲れさまでした。そしてひとまず、おめでとうございます。 そして、この間のすべての事情がリアルタイムでブログに記録されております。「うすっぺら日記」という、多少自虐的なブログ名になっていますけれども、同じような境遇に置かれた何万人の大学院生にとってはかけがえのない貴重な生きた生き方のモデルになると思います。 私は、改めて読み返して見たわけではないのですが、大学院生の方で、今現在進路に悩んでいる方は、是非とも通して読んでみていただきたいと思います。書いた人としては、いろいろと状況が変化しているだけではなく、感情や意志が揺れ動いていた過去が記録されていますので、削

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    hiromark
    hiromark 2008/11/14
    厳しい現実。
  • 学術雑誌の不採算性 | 5号館を出て

    小林・益川両氏も論文発表、伝統の学術誌が赤字で廃刊危機 いかにもという感じの、「ノーベル物理学賞の小林誠さん、益川敏英さんが受賞論文を発表した学術誌が、廃刊の危機に直面している」と、例によってノーベル賞効果で補助金を要求する論調の記事です。 日発の理論物理学雑誌であり、歴史的意義もあるのだと思いますが、あまりの不採算性に「それはオンライン版にしましょう」と提案したくなりました。 発行部数は800部と少ないが、購読者は欧米など世界中におり、現在は京都大・湯川記念館内の理論物理学刊行会が年12回発行。 だが、年間約6000万円かかる出版経費のうち、数年前には約半額を賄っていた日学術振興会の補助金が年々削減され、現在は1600万円しかない。 編集長の九後(くご)太一・京都大教授は「購読料や投稿料の収入をやりくりしても1年で約100万円の赤字が出る。積立金で穴埋めしているが、助成費が廃止された

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    hiromark
    hiromark 2008/10/15
    ほんとにね。
  • 講義ノートを買うレベルの「勉強」すらしなくなっているのでは | 5号館を出て

    実際に見たことはありませんが、「講義ノート屋」という商売があった(ある)ようです。それが、顧客の現象から廃業が相次いでいるというニュースがありました。 朝日コム 「講義ノート屋」氷河期 京阪神の大学で「閉店」続出 タイトルとは違って、記事は立命館大学の近くにある繁盛している講義ノート屋さんの話から始まります。大学の自粛要請にもかかわらず繁盛しているようです。しかし、このようなところはむしろ例外なのだそうで、講義ノート屋は 関西では数十年前から存在し、印刷会社などが営んでいた。「関関同立」「産近甲龍」と言われる有力私大の周辺にはどこにもあったのに、近畿大(大阪東大阪市)は5年ほど前、それより前に関西大(同吹田市)、甲南大(神戸市東灘区)で姿を消した。関西学院大(兵庫県西宮市)でも2年ほど前になくなった。いまも残っているのは、立命館大、同志社大(京都市上京区)、京都産業大(同北区)、龍谷大(

    講義ノートを買うレベルの「勉強」すらしなくなっているのでは | 5号館を出て
    hiromark
    hiromark 2008/10/06
    え?そうなの!?
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