ずっと、「あの花の名はなんだ」というタイトルの小説を書きたいと思っている。アニメ「あの花」が出てきたときは正直やられたと思った。それはともかく、寮を舞台にした私小説を書いたとき、同じ題の章を書き始めたが、友人の死についてうまく言葉にできなかった。 あちこちに出張が多い月で、あっという間に月末。夜にマチ子をお風呂に入れるのが楽しいが、それ以外の部分で妻をフォローできているか不安な部分はある。 「思い込みで話を進めることがあるよね」と妻に言われ、激昂しそうになる。それはもの凄く嫌な部分だ。 去年より忙しいわけではないはずなのに、生活に余裕がない。子どもが生まれたからとかではなく、自分のスタンスがブレ始めているのだと思う。 山形で暮らす友人から、結婚の報せが届く。相手のこともよく知っているので、ようやくか、と感慨深い気持ちになる。彼だけではなく、先輩や後輩で、あの町に根を下ろしてやっていこうとす
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