奈良市の国特別史跡・平城宮跡(約130ヘクタール)で国営公園化事業を進める国土交通省は25日、奈良時代に役人が儀式や饗宴(きょうえん)などを行った朝堂院の広場の整備を始めた。完成は来年3月末の予定。 整備するのは東西約210メートル、南北約260メートル。約1万5000立方メートルの土を20~70センチの高さに盛り、土とセメントで舗装する。全地球測位システム(GPS)機能を搭載した重機を使用し、地下の遺構を傷めないよう配慮する。事業費は約1億1000万円。 朝堂院の広場は復元された大極殿とあわせて整備する予定だったが、宮跡で2010年に平城遷都1300年祭が開かれたため、着工が遅れていた。広場は現在、草に覆われており、文化庁が1986年~91年に整備した4棟の建物の土台(基壇)にも近づきにくくなっていた。 同省国営飛鳥歴史公園事務所平城分室の担当者は「往時の空間の広がりが体感できるようにし