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第1回 名久井直子さんインタビュー 「この本、味出てなんぼです」(1) 2018.05.21更新 2018年5月22日に発売となる「手売りブックス」。店頭に並ぶ日がまもなくです! 表紙の鮮やかな色や質感、一つ一つ手作業で貼られたシール・・・これまで見たことのないシリーズが出来上がりました。 間違いなく目に飛び込んでくるであろうこの装丁。デザインを担当してくださったのは、名久井直子さん。これまで数多くの本の装丁を手がけ、ミシマ社から出ている本でも『何度でもオールライトと歌え』(後藤正文著)、『似合わない服』(山口ミルコ著)、『家のしごと』(山本ふみこ著)などを手がけてくださっています。 さて、完成した「手売りブックス」を手にした名久井さん。おもわずある反応をしてしまったとのこと。一体どんなことを思ったのでしょうか? 2日間にわたってお届けします。 (聞き手:三島邦弘、構成・写真:野崎敬乃)
直木賞作家で、「下天は夢か」などの歴史小説で知られる津本陽さんが26日、誤えん性肺炎のため東京都内の病院で亡くなりました。89歳でした。 戦国時代の武将や剣豪、幕末の志士などを主人公にした小説を数多く執筆し、昭和61年から平成元年にかけて新聞に連載された、織田信長が主人公の長編小説「下天は夢か」がベストセラーになるなど、歴史小説の第一人者として活躍しました。 平成9年には紫綬褒章を、平成15年には旭日小綬章を受章しています。 津本さんはその後も執筆活動を続け、おととしには、明治時代に外務大臣などを務めた陸奥宗光の生涯を描いた「叛骨」を刊行していました。 関わりのあった出版社によりますと、津本さんは先月、東京都内の病院に入院し、26日の午後10時10分、誤えん性肺炎のため亡くなったということです。
青山ブックセンター六本木店が6月25日をもって閉店することがわかった。 これは青山ブックセンターのオフィシャルサイトで発表されたもの。同店は、1980年に青山ブックセンターの1号店としてオープン。38年にわたって営業していた。 今後は東京・表参道の青山ブックセンター本店に統合され、ポイントカードも引き続き利用可能になるという。 六本木店閉店後は、青山ブックセンターの店舗は本店のみとなる。1980年の六本木店の開店を皮切りに、これまで広尾店、新宿店、自由が丘店、HMV渋谷店、丸ビル店、六本木ヒルズ店などを出店していたほか、福岡店、成田空港店など東京都外でも展開していたが、運営会社がたびたび変更となり、現在はブックオフコーポレーションが運営している。 青山ブックセンターのウェブサイトでは「青山ブックセンター六本木店 閉店のお知らせ」と題した記事を掲載。「この度、38年に渡りお引き立ていただきま
食文化から暮らしを描写して、食感や香りの五感を通じて、物語世界をあざやかに体験できる料理・食べ物ライトノベル。「食」は生活や本質を描き出します。 90年代から2000年代にストーリーのワンシーンとしてライトノベルのなかに食べ物を食べている描写が出てきました。その一部分に読者の注目があつまり「おいしそう」とか「あの食べる描写がすごい」と小説として評価が高まります。 幸せそうに口いっぱいに頬張る『スレイヤーズ』のリナや、買い物や料理のシーンが本当にすごい『わたしの勇者さま』、満面の笑顔を見せる『狼と香辛料』のホロが印象的です。 2010年代になると食べ物や料理をあつかった小説が多く出版され、グルメラノベが一つのジャンルとして確立します。2014年、2015年と食ラノベはさらなる注目をあつめ、2017年には50タイトルを超える料理・食べ物ライトノベルが、読者の舌をたのしませてくれています。 この
本へあてた詩を添えて 本屋さんも一冊の本であるように思っている。棚の前に立って本を選ぶのは私にとって特別で、見ているうちに私は棚に並んだ背表紙たちを、それ自体を、読み物として、みているように錯覚もしていた。本を選ぶという行為は、すでに、読むという行為の始まりなのかもしれなかった。だから本屋を作るなら、私は読むということをその場で繰り広げられるお店にしたい。 以前、詩集刊行を記念して選書フェアをさせてもらったとき、私はポップに本の紹介とは別に、その本へあてた詩を書いていた。もし、本屋をやるなら、それをすべての本にできたらすてきだ。詩では、本のことをわかりやすく説明することはできない。けれど一方で、内容がわからなくてもほしくなる本がこの世には確実にたくさんある。どうしてこの本が気になるのかはわからないけれど、でもどうしても無視できない。そんな出会いが、特別だって信じている。背表紙に書かれたタイ
少し前に90年代の自分に影響を与えたライトノベルのエントリーを書きましたが(一回貼ってから少女小説も含めると長すぎると思って消した十二国記の画像反映が消えませんw) その際同じように影響を受けたコバルト文庫・X文庫についても書くつもりが、分量的に長くなりそうだったので分割して今回はこちらで書いてみようと思います。 読むようになったきっかけはよくある話ですが3歳年上の姉の影響で、コバルト文庫やX文庫に加えて少女マンガもりぼんや花とゆめ系を中心に結構読んでました。ライトノベルもそうですけど思春期に読んだ本はその後の読書傾向にがっつり影響していきますね(苦笑)コバルト文庫やX文庫も当時のライトノベル同様図書館によく蔵書されていたので図書館で借りて読んでました。 まずぱっと思い出すのはやっぱり氷室冴子さんです。「ざ・ちぇんじ!」「なんて素敵にジャパネスク」ももちろん読みましたが、個人的には「なぎさ
お知らせ 2018.11.25 お知らせテストてすと 2018.11.24 お知らせテストです お知らせ一覧へ 「海の本屋アーカイブ」について 神戸・元町にあった海文堂書店の書店スタッフによって数々の「書店誌」が作られてきました。 特に1975年から2000年まで店長を務めた小林良宣さんは図書目録から同人誌、社内連絡のペラものまであらゆる種類の冊子を作っていました。 その後2000年代に福岡宏泰店長によって「Cahier」「ほんまに」となって受け継がれていきます。 2015年に発行された元海文堂書店員・平野義昌さんによる「海の本屋のはなし」(苦楽堂)の執筆のために改めてこれらの編集物を見る機会に恵まれ、多くの書店員や本好きの方たちに読んでいただければと思い、今回のアーカイブ制作に至りました。 このアーカイブは〈100年誌刊行会〉へのみなさんの寄付によって制作することができました。 この場を
新直木賞作家・門井慶喜さんがオール讀物推理小説新人賞を受賞した時の選考委員だったのが『炎立つ』『火怨』などで知られる高橋克彦さん。 新人時代から直木賞まで門井さんを見守ってきた「文壇の父」と語る。 ◆ ◆ ◆ 高橋 この度は直木賞受賞、本当におめでとうございます。選考会でも圧倒的な評価だったようですね。 門井 ありがとうございます。 高橋 お会いするのは今日が初めてですが、私は門井さんが「天才たちの値段」で第39回オール讀物推理小説新人賞(2000年)の最終候補に初めて残られたときの選考委員でした。「天才たちの値段」は、美術作品の真贋を判断できる味覚を持った人物や美術史専攻の学者が、ボッティチェッリの絵画の謎を解いていくミステリーで、贋作を見抜く鍵の発想が素晴らしかった。当時の選考委員は西木正明さん、大沢在昌さん、宮部みゆきさんと私でしたが、このときの選考会では、最初の採点で自分以外の3人
磯﨑憲一郎(小説家) プロの小説家の中にも勘違いしている人は少なからずいるのだが、現実の一部を切り取って、人々が共感できるように描いてみせるのが小説ではない。語りの力によって読む者を圧倒しつつ魅了する、現実とは異なる、いわば小説的現実を立ち上げてみせるのが、小説という芸術表現なのだ。 恐らくその最良の証明となるであろう、金井美恵子『『スタア誕生』』は、一九五〇年代の地方都市の商店街を舞台に、地元の映画館で開催されるニューフェース審査会に臨む、映画女優に憧れる若い美容師と、彼女を応援する商店街で働く女性たちを、当時十歳の少女だった語り手の目を通して描いている。とはいえ、特段ストーリーらしいストーリーがある訳ではない。脈絡なく繰り出される、ときには数ページにも亘(わた)る、映画館の内装の仔細(しさい)な描写や、そこで観(み)た筈(はず)の洋画や邦画の一場面、親しかった人たちの服装や髪型(かみが
図書館・書店を拠点とした地域活性化への展望~日本における「サードプレイス」の可能性 渡部 晶 1はじめに (1)図書館・書店・出版の現状*1 本題に入る前に、図書館・書店・出版の現状について概観しておきたい。 ア.図書館数 平成27年(2015)度の「社会教育調査」(3年ごとの調査)によれば、図書館数(同種施設を含む。)は3331で、前回調査に比べ57(伸び率1.7%)増加し、過去最高となった。筆者が特集「岐路に立つ公立図書館~多彩なサービスで行きたくなる場に」*2に協力させていただいた、日経グローカル2017年7月17日号によれば、2016年4月時点で804市区(全市区の98.9%)、519町村(全町村の55.9%)に存在している(日本図書館協会調べ)。 付言すると図書館事業は自治事務である。また、図書館法に基づく補助金は1998年をもって廃止、一般財源化されている。したがって、持論だが
水俣病の現実に光を当てた作家石牟礼道子さんの訃報に、親交があった九州ゆかりの詩人や記録作家からも悼む声が聞かれた。 石牟礼さんとの対談集「死を想(おも)う」がある詩人の伊藤比呂美さん(62)=米国在住=は、熊本在住だった父母をみとって以来、熊本に帰るたびに「母親のような存在」の石牟礼さんを訪ねた。「1月中旬にお会いしたのが最後。作品は目で読んだ時にまるで音で聞いているかのような錯覚を起こさせる語りの文学で、現代最高の『世界文学』だった。熊本の仲間たちと(2014年から)続けている石牟礼大学を通じて、その魅力をこれからも伝えていきたい」と話した。 著書「ふたり 皇后美智子と石牟礼道子」がある宮崎県高千穂町出身のノンフィクション作家、高山文彦さん(59)=東京在住=は「詩人になりたかったが、生々しい現実に降りていかなければならない中で才能を開花させた。水俣病の印象が強いが生涯、近代を問うていた
出版界は危機的な不況にあえいでいる。おそらく若い作家世代は「えっ、バブルの時代があったの?」と驚くかもしれない。わたし自身、その時代を生きていながら、あのころがバブルだったのかな、程度の認識しかない。雑誌の仕事をしていたころ、筆者に従って作家の顔写真を撮影に行き、プリントにして出版社にとどけると、校正を終えた編集者や筆者が集まっていて「銀座にいくぞ」と彼ら馴染(なじみ)のバーに連れていかれた。
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています 1日平均11時間以上という激務に追われながら、ネット上の小説大賞受賞をきっかけに兼業作家として歩みだした教職員、文野さとさん。なぜ学校の先生が作家になったのか、またなぜあえて専業の道を選ばないのか――兼業作家のリアルに迫ります。 文野さとさんの著書『灰色のマリエ』(左)と『シャドウ・ガール』(右)。『灰色のマリエ』は「第7回恋愛小説大賞」で445作品の中から「読者賞」を受賞した。 今回お話を伺ったのは第7回恋愛小説大賞で読者からもっとも支持された作品に贈られる「読者賞」を受賞したことをきっかけに『灰色のマリエ』で書籍デビューを果たしたライトノベル作家、文野さとさん。本業は教師で、大学在学中に教員採用試験に合格後、現在に至るまで20年以上キャリアを積んできました。 そんな文野さんに転機が訪れたのは30代のころ。自身のサイト「ぷんにゃご
まさかのカズオ・イシグロが受賞! 今年もやってまいりました年末ジャンボベスト。国内編、海外編とも12作品(1ダズン)ご紹介する年末にふさわしいビッグな企画です。 さて、2017年の海外文学といえば、もうあれですね、カズオ・イシグロのノーベル文学賞受賞。驚きました、ほんとーに! いつかは受賞する作家とは思っていましたが、今年とはだれも思わなかった。 長崎生まれのイギリス育ち、日系作家の受賞ということで、かなり話題になり、本も売れまくっているようす。イシグロ作品を一手に扱っている早川書房は合計105万部の増刷をかけたそうです。久しぶりに聞きましたよ、海外文学でミリオンの数字を! この余勢を駆って来年も、翻訳文学からばんばんヒットが出てほしいものです。 2017年は、古典新訳やリバイバル、名作の文庫化なども目立った年でした。そのなかでも、国際的な潮流として見逃せないのが、管理社会を風刺する「ディ
20歳のころ、家族と(右端、本人提供)〈読者は小説の向こうに作者の姿を見る。こんな文章を書く人は、どんな恋愛をしてきたのか、と。自伝的エッセーには、郷里の山口県から短大進学で上京した作者が列車で帰省したとき、当時交際していた恋人とのキスシーンを駅に迎えにきた大学教員の父親にわざと見せつける場面が出てくる〉 もう思い出すのも大変なぐらい昔の話ですけどね(苦笑)。私は基本的に自己主張の強い人間で、恐らく家や両親からの独立宣言みたいなものだったのでしょう。あるいは、青春の抵抗かな? 学生運動が盛んな時代で、親の元にじっとしていることをよしとせず東京に飛び出した。故郷に帰ってきても「(イイ子ちゃんの)娘じゃないのよ」というところを見せたかったのかもしれません。まぁ、父はショックだったのでしょうね。 ただ、自分の恋愛体験など大したものじゃない。文学にしたときに、喜びも哀(かな)しみの感情もパーッと広
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