* 映画90分説 フランス文学者にして映画評論家の蓮實重彦氏は「映画90分説」というものを提唱しています。いうまでもなく、これは映画の上映時間の話です。氏は近著『見るレッスン』(2020)においても映画というものはほぼ90分で撮れるはずであると述べ、その近年における好例としてアメリカの監督デヴィッド・ロウリーの作品を挙げています。 見るレッスン~映画史特別講義~ (光文社新書) 作者:蓮實 重彦 光文社 Amazon ロウリーのこれまでの作品はほとんど90分で撮られています。例えばロウリーの事実上のデビュー作である『セインツ』(2013年)について蓮實氏はよくある題材を90数分で堂々と描き切っており、ロマンチックでありながらセンチメンタルにならず、しかもショットがことごとく決まっていると評しています。ここで氏のいう「ショット」とは、構図や光線だけでなく被写体との距離というものが決定的な要素
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