バス運転手不足/事態は深刻さを増している 「慢性的な不足が続いてきたが、その傾向はここ数年、より顕著になっている」。東北のあるバス事業者の担当者が厳しい現実を口にする。 市民の足となっているバスの運転手不足が深刻だ。 東北運輸局は昨年末、東北の事業者を対象に聞き取りを実施。各社とも「不足に頭を抱えている」「今後も厳しさが続く」と回答したという。 運転手不足は全国的な課題だが「東北では東日本大震災後、状況が悪化した」と関係者は口をそろえる。 被災地の復興工事の本格化でダンプやトラックの運転手需要が急増。賃金上昇も加わり、バス業界から転職する例などが相次いだとみられる。 路線バスを維持するため、各社は対応に苦慮している。東北運輸局の調査によると、高速バスを減便したり、貸し切りバスの申し込みを断ったりしていた。 高速、貸し切りは比較的、収益性が高い。こうした事業を削って運転手をやりく