1995年1月17日早朝、兵庫県などを襲い、6434人の命を奪った阪神大震災は、日本の災害対応や被災者支援策が見直されるきっかけになった。この30年間で学んだ教訓は、昨年の能登半島地震で生かされたのか。二つの被災地で人々の声を聞き、課題を探った。(城石愛麻、芝野享平) 「このテーブル、頑丈そうだから捨てずに仮設住宅で使ってもらおうよ」。7日、能登半島地震で被災した石川県七尾市のゲストハウス「えんね」。寒空の下、家具を運び出していたボランティアの増島智子さん(54)=神戸市北区=の言葉に、経営者の石坂智子さん(45)が笑顔でうなずいた。
