新年に考える 日本社会の「神話」見直せこんな年明けを迎えると、1年前に誰が予想できただろう。 新型コロナウイルスのパンデミックが収まりきらない中、ロシアのウクライナ侵攻が始まった。国際秩序の動揺は資源不足やインフレも過熱させ、世界の多くの人々が苦しんでいる。いつまで続き、その先はどうなるのか。 似たような状況が100年ほど前にあった。スペイン風邪のパンデミックは第1次世界大戦（1914～18年）とほぼ重なる。大戦後の欧米や日本で軍縮や社会の公平性を巡る議論が活発になったものの結局、20世紀はその後「戦争の世紀」として像を結んだ。 コロナ禍とウクライナの戦争が終われば、どうだろう。過ちを繰り返してはならない。疫病と戦乱は先行きが読みにくい不確実性をもたらす。グローバル化で世界の結び付きが強まった今、それは一段と高まっている。 ■物差しは豊かさのみ 私たちは手探りで前に進むしかない。その際に大切なのは、これまで当然、自明のことと信
