1989年11月9日のベルリンの壁の崩壊をきっかけに、東欧諸国は続々と共産圏を脱し、民主主義陣営に入ることを選択した。ベルリンの壁の崩壊につながったのは、国民主権、言論の自由、旅行の自由を求める民主化運動が、東ドイツのみならず東欧諸国で大きなうねりとなったことである。民主主義に大きな魅力があった時代ということができるだろう。これらの国々のうち1990年以降に西側の軍事同盟であるNATO(北大西洋条約機構)に加盟したのは14カ国、西欧の経済同盟であるEU(欧州連合)に加盟したのは11カ国である。 ただし、民主主義の魅力はここ10年で後退していると、スウェーデンの調査機関であるV-Demの”Democracy Report 2022”は指摘している。V-Demは世界各国の民主化度合いを独自に指数化して発表しているが、最新の2021年の世界の民主化度は1989年の水準まで低下し、過去30年余りの
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