6月11日、政府は今後の経済財政政策の方向性を定めるいわゆる「骨太の方針2024」の原案を公表した。今回の骨太の方針では、様々な社会的課題に取り組むことによってデフレ脱却を確実なものとし、国民が豊かさを実感できる社会の実現を目指している。とりわけ、財政再建の指標に注目が集まった。政府は今回、プライマリーバランス(PB=国債費を除く歳出を税収等で賄えているかどうかの指標。黒字の場合は賄えている)の黒字化を2025年度に達成する目標を据え置いた。 確かに経済活動が活性化する結果、税収が増加し、PBが黒字化することは望ましい。しかし、PBの黒字化は経済成長の結果として実現すべきものであり、景気が停滞している時にPBを黒字化するために歳出カット等でつじつまを合わせても、黒字は持続しない。まずは経済成長が最優先である。PB黒字化の目標時期は経済実態に応じて弾力的に設定すべきであり、今回の骨太の方針の