新年度入り後、企業倒産が増加する懸念が出ている。平成21年12月に施行された借入金の返済猶予を促す「中小企業金融円滑化法」で倒産は抑制されてきたが、その結果、銀行の“隠れ不良債権”が増大。政府は同法を当初期限の今年3月末から1年延長することを決めたが、銀行側は「安易に猶予を繰り返すことはできない」との姿勢を強めており、延命措置が外される恐れがあるのだ。金融庁の“ご指導” 「父親から受け継いだ会社をつぶすわけにはいかない。社員の生活もある。延長は大変ありがたい」 都内で食器販売業を営む50代の男性は、ため息混じりに漏らした。 円滑化法の適用で月々の返済は大幅に減り、数人を抱える社員の給与を何とか払えるようになった。12月に決算を閉めたところ、昨年はわずかながら利益を出せた。だが、事業は先細りの一途で、アルバイトをしながら、自転車操業を続けている。 同法は連立政権に参加し、金融相だった国民新党