99U:「仕事を家庭に持ち込まないのが理想(またその逆も)」だと、自己啓発本や、テレビの人生相談でよく語られます。しかし、現実はそれほど単純ではありません。勤務中に、子どもの学校から電話がかかってきたことがある人ならわかる通り、仕事と家庭生活の間にある仕切りは、壁というよりはドアに近いものです。 そのドアを通して、両サイドに感情の流れが行き来します。片方における良いニュースが、もう一方にポジティブな影響を与えます。もちろん、ネガティブな影響もしかり。仕事と家庭をきっちり分けられるという幻想を持つ代わりに、現実を見据えたほうが、はるかに生産的になれます。そう、人生は複雑なのです。 この夏、ヨーロッパの心理学者によって発表された論文を見れば、仕事と家庭が複雑に影響し合っているのがわかります。アナ・サンス・ベルヘル氏率いる研究チームは、スペインにおける25組織の従業員150人の日記を調べることで