現代のシステム構築・導入プロジェクトの多くは、前例がない、あるいは経験がないといった、先の見えない「暗闇プロジェクト」と言える。この連載では、暗闇プロジェクトを任された場合に参考になりそうなヒントやノウハウを紹介している。 今回から新シリーズとなる。しばらくの間、暗闇プロジェクトにおける顧客接点のマネジメントに関するトピックを取り上げることにしたい。今回と次回は、現場における要求定義の心得に焦点を当てて、六つのセオリーを紹介しよう。 セオリー1 「ヒアリングの相手が分からない」前提で始める 要求定義はシステム企画を具現化するための最初のステップであり、システム開発プロジェクトの基本である。中でも要件のヒアリングは非常に重要な作業の一つだ。この作業が不十分だとシステムの品質に大きな問題が生じ、プロジェクトの最後の最後まで尾を引くことになる。 ところが暗闇プロジェクトでは、「そもそも誰に何をヒ