東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県富岡町は15日、地域史と震災の記憶を伝えるアーカイブ施設の設置に向け、保存資料の活用方法などを検討する町民会議を発足させた。町独自の「認定震災遺産制度」を導入し、町民の視点を交えて施設の発信力を高める。 会議は、町民代表と大学教授ら学識経験者の計7人で構成。地域と連携した資料保存活動や情報発信の仕組みを考える。施設の開設場所や時期は未定で、2017年度末までに基本構想や運営方法をまとめる。 町がアーカイブ事業の柱と位置付けるのは(1)喪失が懸念される富岡を中心とした地域性の継承(2)原発事故と地震・津波による複合災害の経験発信-の二つ。 特に複合災害の経験と教訓を内外に伝えるため、「認定震災遺産制度」の導入を計画する。これまで町の専門チームは「震災遺産」として、被災の爪痕を伝える物品約5300点を収集。今後、象徴的な震災遺産を町民会議が選び