菅直人首相は最近ひとりで昼食を取ることが多いらしい。以前は秘書官や党幹部と一緒だったが、難しい問題に政権が見舞われるようになってから官邸の執務室にこもって食事をするようになったという。 それで思い出した。1996年夏、病原性大腸菌O157騒動が連日のように新聞やテレビで取り上げられていた。厚生省(当時)は大阪府羽曳野市の農園が生産し出荷したカイワレ大根が「原因食材として最も可能性が高い」と発表、カイワレを店頭から撤去するスーパーや小売店が続出した。 厚生省は懸命に過剰反応を抑えようとしたが、いったん広がった騒動はなかなか鎮まらない。当時大臣だった菅さんがカイワレ大根をカメラの前で食べるパフォーマンスを見せ安全性をアピールすることになった。 が、そのカイワレがない。若手官僚が10人以上かり出されて東京都内のスーパーを探し回ったが、どこに行っても見つからない。猛暑の中、汗をかきながらカイワレを