守屋武昌の逮捕で注目させられた点は二点ある。第一は検察がゴルフ接待を賄賂として認めた点であり、第二は妻の幸子が収賄の共犯で逮捕された点である。山田洋行による守屋夫妻へのゴルフ接待は8年間で300回以上、金額にして1500万円以上の巨額に上る。山田洋行は防衛省の納入業者であり、省の幹部だった守屋武昌が納入業者とどういう関係になれば法的な立場がどうなるかは常識として知っていただろう。守屋武昌も宮崎元伸もゴルフ接待が賄賂になるとは思っていなかったのである。何故なら、そういう前例がないから。賄賂とは、公務員の「職務に関する不正な報酬としての利益」であり、飲食の接待や売春婦の提供を含む「人の需要または欲望をみたすに足りる一切の利益」が定義である。が、これまでの疑獄事件でゴルフ接待が賄賂とされて追及された事件は、私の記憶では一件もない。この意義はきわめて大きい。 今でも、省庁の官僚たちは毎週のように業
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