なめられたモノだと、つくづく思う。最近、制限するかどうかが盛んに議論されている国会議員・政治家の「世襲」問題だ。議論するのは自由だが、前提が違っていませんかと言いたい▼言うまでもないが、議員も首長も、その立場にある人たちが勝手に後任を選ぶのではない。有権者が選挙で決めているのだ。世襲に近い状態に弊害があるのは古くから指摘されているし、何より有権者に隠せるものでもない▼政治方針はどうか。仕事ができるか。それが選ぶ基準であり、候補者の家系なんて重要ではない。「世襲」の是非を議論する暇があったら、有権者の選択材料を提示する準備に充ててほしいものだ。【太田裕之】