原爆投下後の広島で力強く生きる少年の姿を描いた漫画「はだしのゲン」は、注文が相次いでいることから、出版社が例年の5倍に当たる異例の1万部の増刷を決め、印刷会社が作業に追われています。 漫画「はだしのゲン」は、去年12月に73歳で亡くなった被爆者で漫画家の中沢啓治さんが、原爆投下後の広島で力強く生きる少年「ゲン」の姿を描いた作品です。 東京・文京区の出版社では、中沢さんが亡くなり、作品が番組などで多く取り上げられたことに加え、松江市の教育委員会による閲覧制限の要請を巡り、さらに注文が相次いだため、合わせて1万部の増刷を決めました。 この会社では、原爆の日を前に、毎年、2000部を増刷していますが、年間の増刷が、その5倍の1万部に達するのは異例だということです。 東京・足立区にある従業員およそ20人の印刷工場は、増刷に次ぐ増刷で作業に追われています。 このほか別の出版社も、例年のおよそ5倍の増