佐世保で女子高生が同級生を殺害したことが連日の話題だ。容疑者は罪深い。しかし、彼女の家庭環境を思うとあまり他人事ではないように思えた。なぜなら私も母を癌で亡くしたからだ。 ただ、容疑者の彼女と自分の人生を照らし合わせるのはナンセンスだし、擁護する気もない。けれども、もし仮にあなたが父親になった時、少しだけ考えて欲しい。「母が他界したら娘はどう思うのか」そのひとつのケース。 じわりじわりと「それ」は来る最初に母が体調を崩したのは、私が小学生になる頃だった。腎臓に異常があるとのことで1ヶ月程度入院したのだった。 この時から私は母の死を意識するようになった。「あと何回ご飯が食べられるのだろう? 何回会えるんだろう? もしかするとこれが最期かも」と。だからといって、その心境は決して母に伝えてはならなかった。余計な心配をさせてはいけないと幼いながらに心に誓ったことを記憶している。 母の病名がどんどん
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