先週は、この記事が本に関心のある人の間で話題になりましたね。 「文庫本「図書館貸し出し中止を」 文芸春秋社長が要請へ」(10/12 朝日新聞)記事の一部を引きます。《売り上げ減少が続く文庫本について図書館での貸し出し中止を文芸春秋の松井清人社長が要請することが分かった。貸出数の4分の1を文庫が占める地域もあるなどと実情を示し、13日の全国図書館大会で市場縮小の要因の一つと訴える》。 記事でもふれられていますが、一昨年、2015年には、同じ全国図書館大会の場で、新潮社社長、佐藤隆信さんが《ベストセラーの複数購入を出版不況の一因と主張》という一件がありました。日本を代表するといっていい二大文芸出版社の社主が、2年続けて同じ図書館関連の集まりで同じ主旨の主張をした、ということになります。《その後、図書館側が「因果関係を示すデータはない」と反論し、議論は平行線をたどった。今回は文庫に焦点を絞って問