(前回から読む) ―― 東日本大震災で被害に遭った被災地では、これからどういう街を作ればいいのでしょうか。それぞれのご意見をうかがいたいと思います。 隈:この対談でお話している通り、全部一律の整備をするのではなく、それぞれの場所の条件に合わせて、「だましだまし」やっていく、というのが僕の基本的な考えです。 養老:「だましだまし」というのは、これからの日本人の生き方に一番肝要なことだと思いますね。 隈:ただ、それだけでは建築家としてちょっと無責任な感じがしますので(笑)、震災後の対策として地下の可能性を僕からは言っておきたいと思います。 養老:それは、あまり誰も言わないですね。 隈:そうでしょう。誰も言わないんですけど、それこそ盲点だったな、と。だって今回の津波でも、地下って被害に遭ってないんですよ。止水さえちゃんとやっておけば、地下の構造体は津波でも大丈夫なんです。 ―― その止水の技術そ
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