短い文章から事実を正しく理解する「基礎的読解力」について、国立情報学研究所の新井紀子教授や名古屋大学などのグループが、全国の小中高校生や大学生、社会人らを調べたところ、多くの中学生の読解力に問題があることが分かった。中学卒業までの読解力が将来に影響するという。
上場企業約1380社の本年度上半期(4~9月)の最終的な利益が14兆3070億円になり、過去最高を記録した。だが、半分の7兆円はトヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャル・グループなど全体の2%程度にすぎない上位30社で占めている。中小企業の景況感は一向に回復しないうえ、大企業の中でも業種や円安の恩恵の有無で業績の格差は広がっている。 安倍晋三首相は十九日、経済界と労働団体の代表者を首相官邸に集めた政労使会議で「景気回復の今こそ賃金を引き上げるチャンスだ」と述べ、来春の賃上げを要請した。二年連続となる要請に、経団連の榊原定征(さだゆき)会長(東レ会長)らは受け入れる意向を示した。 だが、賃上げをするための利益は大企業の一部に集中する。中小企業は「地方や下請けに(景気回復の)恩恵が届いていない」(全国中小企業団体中央会の鶴田欣也会長)。賃上げは「一回はできるが、利益がないと二回、三回とはできな
建設業の下請け業者の全国組織が、経団連など三十団体に「安値発注は請け負わない」との決議文を送り、発注額の引き上げを要請していることが十五日、分かった。ゼネコンもこれに同調し、下請けと一体で働き掛けを始めた。 人手不足で人件費が上がり、資材価格も高騰しているためで、経団連もこれを反映した取引を会員企業に要請する方向で検討する。東日本大震災の復興事業に加え、二〇二〇年の東京五輪に向けた工事が本格化するのを前に、建設業界は受注価格の引き上げに動きだした。 決議文をまとめたのは中小建設業者らでつくる「建設産業専門団体連合会(建専連)」。適正価格での発注を求め、安値での請負契約はしないことを表明した五項目の決議文を六月にまとめ、不動産会社、住宅メーカーなどの業界団体に送った。
労働相談のホームページを開く30代男性。IT業界を渡り歩いてきたが「残業代を払ってくれない会社がほとんどだった」と明かす=東京都内で(写真と本文とは関係ありません) 裁量労働制の導入が広がる中、IT業界では経営者が都合のいいように制度を悪用するトラブルが後を絶たない。「IT企業は残業代が出ない」という誤った認識が、業界では半ば常識のようにはびこり、過酷な労働環境を生む温床になっている。(中沢誠) 「裁量労働制だから残業代は出ない」 神奈川県内のシステム開発会社に勤めていた四十代のプログラマーの男性は会社から採用時にこう説明された。 「情報処理システムの分析・設計」を統括するシステムエンジニア(SE)は、裁量労働制の対象だが、プログラマーは対象外だ。 実際の勤務は朝九時に出社し、上司の指示通りに業務をこなす。自分の裁量はほとんどないのに、無理な納期を強いられ、長時間労働が慢性化していた。入社
「節電で月の電気代は五百円程度」という主婦の投稿が、五月末の本紙発言欄に載った。どうすればそんな生活ができるのか。東京郊外に住む読者を訪ね、さまざまな工夫を重ねた暮らしぶりを見せてもらった。 (竹上順子) 東京駅から電車を乗り継いで約一時間半の東京都あきる野市。JR武蔵五日市駅から徒歩十分の住宅地に「発想変え無理せず節電」の投稿を寄せた主婦、東奏子(あずまかなこ)さん(32)の一家が暮らす築五十年の木造二階建てがあった。近くには秋川が流れ、河原でバーベキューや川遊びが楽しめる。 見せてもらった今年四月の領収金額は、基本料金二百七十三円込みで五百十二円とあった。東京電力との契約アンペアは、最も少ない十アンペアだ。 会社員の夫(37)と長女(5つ)、長男(2つ)の四人暮らし。以前から節電に取り組み、東日本大震災後の昨年五月には、読者の工夫を紹介する本紙暮らし面にも登場してくれた。長男が布おむつ
福島第一原発4号機の原子炉建屋が大破した原因をめぐり、謎が深まっている。建屋内プールの使用済み核燃料が損傷し水素が発生したと考えられてきたが、水中カメラで調べても燃料に損傷は見あたらない。地下で接する3号機から水素が流入した説も出てきたが、説得力に欠ける。専門家の間でも「原因は分からないかも」との声が出始めた。 大震災当時、定期検査中で、炉内の燃料は全てプールに移されていた4号機。1〜3号機の対応に追われ、忘れられがちだったが、三月十六日撮影の衛星写真で大破していたことが分かった。
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