保育士を目指している、と言うと「あぁ、子どもが好きなんだね」という顔をされる。 確かに子どもは好きだし、可愛いと思うけど、私が保育士になりたい本当の理由は、そんなに単純なものでも純粋なものでもない。 子どもが好きだと言うより、“子どもじゃないもの”が苦手なのだ。 昔から、同年代の子と遊ぶより、まだ言葉もロクに喋(しゃべ)れない年下の子をあやす方が得意だった。 同年代以上の人間は難しい、と思っていた。 ささいな言葉の行き違いで、怒ったり、傷つけ合ったり……あるいは、自分の言った言葉が全く別の、思いもよらない解釈をされて、誤解から人間関係がこじれたり……。言葉ひとつに気を遣(つか)う。 まだ言葉も話せない赤ちゃんなら、ただにっこり笑いかけてあげるだけで済(す)むのに。 人と人とが想いを伝え合う手段は、言葉だけとは限らない。 目と目を交(か)わすアイコンタクトに、抱擁(ハグ)などのスキンシップ、
![言葉よりも、魔法の笑顔で](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7a0d41f315be188866382b8d49062dda39211a91/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fsbo.syosetu.com%2Fn5534gj%2Ftwitter.png)