2年ばかり放置していた小説ブログを見てみた。スマホは買い替えたし、タブレットも中身総入れ替えしたので、ブログのリンクも切れてて、検索してログイン。良かった。まだ生きてた。10年前ぐらいに書き散らしていたラノベを整理したブログ。懐かしい。読み直してみると、けっこう面白い。
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2年ばかり放置していた小説ブログを見てみた。スマホは買い替えたし、タブレットも中身総入れ替えしたので、ブログのリンクも切れてて、検索してログイン。良かった。まだ生きてた。10年前ぐらいに書き散らしていたラノベを整理したブログ。懐かしい。読み直してみると、けっこう面白い。
JUGEMテーマ:青春(ヤングアダルト)小説 (このシリーズは「小説家になろう」さんにも同じ内容のものを投稿しています。小説家になろう版はブログ版よりもルビ多めです。) 両親が共働きで忙しかった私は、幼い頃、よく祖父母の家に預けられた。 自分の家とはまるで違うあの家が、私は大好きだった。 昭和に建てられた木造家屋は、古くて、そんなに広くはない。 けれど、その古めかしさが、何だか別の世界に迷い込んだ気分で、好きだった。 紅葉の模様が入った 磨硝子 ( すりガラス ) 。 玉石を敷きつめたような、風呂場のタイル。 花柄のホーロー鍋。 家具も皆、古い木の色と艶があって、どっしりした存在感がある。 あの家の、あの空気感が好きだった。 そして、あの家の中に流れる、ゆったりとした“時間”が好きだった。 共働きの両親は、いつも時間に追われていた。 新しくて綺麗だけど、綺麗過ぎて、逆に人間味を感じない家の
JUGEMテーマ:青春(ヤングアダルト)小説 (このシリーズは「小説家になろう」さんにも同じ内容のものを投稿しています。小説家になろう版はブログ版よりもルビ多めで、一部の漢字表記がブログ版と異なっています。) あの人のことを、もう母親だとは思わない。 やっと、心の中で見切りがつけられた。 今まで、ずっと苦しかった。 よその母親が羨(うらや)ましくて、苦しかった。「私のお母さんは、何でこうなんだろう」と、恨めしくて、苦しかった。 そして、そんな風に思うたび、罪悪感がチクチク胸を刺した。 「親の心子知らず」だとか「親の苦労」だとか「育ててもらった恩」だとか聞くと、そんな風に思うこと自体、悪いことなんじゃないかと思えてしまう。 ……だけど、やっぱり何かが違う。 子どもは、親のすること、言うことを、何もかも我慢して受け入れなきゃいけないの? 育ててもらっているうちは、文句も言わずに耐えなきゃいけな
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの ・片恋のシャーラ(プロトタイプ版)の第21弾です(詳しい説明は第1弾に書いてあります)。 他のページはコチラ→「片恋のシャーラ(プロトタイプ版)1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/13/14/15/16/17/18/19/20/22/23/24/25/26/27/28/29/30/31/32(終)」 (下部にある「カテゴリー別・小説一覧」からも他ページに跳べます。※他の小説も混じった「もくじ」になっています。) 数時間後、シャーラは一人で竜使の間を訪れた。 母と叔母を除く唯一の証人であるミルトに、事実を確かめるためだ。 だがミルトは相変わらず、肝心な部分に話が及ぶと、途端に何の脈絡もなく王妃への賛辞を並べ始め、会話が成立しない。 今までは、それも熱烈な王妃崇拝者だから、仕方の無いことだと思っていた。 だが、真実を知ってしまった今、シ
JUGEMテーマ:青春(ヤングアダルト)小説 (このシリーズは「小説家になろう」さんにも同じ内容のものを投稿しています。小説家になろう版は、補足情報が無い代わりにルビ多めです。) 数ヶ月ぶりに帰省したら、地元の駅に自動改札ができていた。 古くさいばかりの田舎の駅が、急に近代化したようで、違和感ばかりを強く覚えた。 駅前にあったコンビニは、いつの間にか潰れていた。 駅前なのに潰れるなんて、さすがは田舎だな、と変な納得の仕方をしながら、迎えの車に乗り込んだ。 時間が止まったかのような、変化の乏しい地方の町でも、数ヶ月離れているだけで、いろいろとあるものだ。 大学に進学するため地元を離れて、もう二年が経とうとしている。 長期休暇も、バイトだサークルの合宿だで何かと忙しく、実家には数えるほどしか帰っていない。 たまの帰郷は片道時間からして長くて、ちょっとした旅行気分だ。 大学に入ってすぐの頃は、周
JUGEMテーマ:青春(ヤングアダルト)小説 (このシリーズは「小説家になろう」さんにも同じ内容のものを投稿しています。小説家になろう版は、補足情報が無い代わりにルビ多めです。) 東京に来れば、何かが変わると思っていた。 マンガやドラマの中にあるような、キラキラした青春と出逢えるんじゃないかって……そんな淡い希望を持っていた。 だけど、思い知った。 あのキラキラした青春は、誰もが手に入れられるものじゃない。 少なくとも、私が手に入れられるものではなかった。 青春するには、お金がかかる。ある程度の自由な時間が要る。 そして私のお金と時間は、気づけばいつもなくなっている。 ……一人暮らしが、こんなに大変で、忙しくて、ギリギリなものだなんて、あの頃は全然、思ってなかった。 東京に来て、まず困ったのが、服を買う場所だった。 地元から持ってきた服は、何だかキャンパスの中で浮いている気がして、入学して
JUGEMテーマ:青春(ヤングアダルト)小説 (このシリーズは「小説家になろう」さんにも同じ内容のものを投稿しています。小説家になろう版は、補足情報が無い代わりにルビ多めです。) 小学校に上がったか上がっていないかくらいの頃、一度、プールの底に沈みかけたことがある。 夏休み、初めて行ったそのプールには、様々な形、様々な仕掛け、様々な深さのプールが取り揃えられていた。 中には、子ども用の浅いプールと、大人用の深いプールが、真ん中で区切られているだけで、くっついているものもあった。 たくさんのプールにはしゃいで、あちこち入り回っていた俺は、大人たちが少し目を離したスキに、足の着かない大人用プールに、浮き輪も持たずに飛び込んでしまったのだ。 現在(いま)の俺なら「足が着くか着かないかくらい、ちゃんと見れば分かるだろうに」と思う。 だが、当時の俺には、そんな判断力も育っていなかった。 あるいは、興
JUGEMテーマ:恋愛小説 ・片恋のシャーラ(プロトタイプ版)の第5弾です(詳しい説明は第1弾に書いてあります)。 他のページはコチラ→「片恋のシャーラ(プロトタイプ版)1/2/3/4/6/7/8/9/10/11/12/13/14/15/16/17/18/19/20/21/22/23/24/25/26/27/28/29/30/31/32(終)」 (下部にある「カテゴリー別・小説一覧」からも他ページに跳べます。※他の小説も混じった「もくじ」になっています。) 夜。シャーラは一人、塔の屋上で膝を抱えて星を見ていた。 光月宮の裏庭の森にひっそりと建つ、古寂れた物見の塔。 それは、宝玉戦争で失われた、かつてのカトラーナ王城の名残。今ではもう、訪れる者も稀な、打ち捨てられた見張台だった。 「……やはり、ここにいたか、シャーラ」 ふいに声を掛けられ、彼女はびくりと身を竦める。だが、すぐに声の主に気がつ
JUGEMテーマ:恋愛小説 ・片恋のシャーラ(プロトタイプ版)の第4弾です(詳しい説明は第1弾に書いてあります)。 他のページはコチラ→「片恋のシャーラ(プロトタイプ版)1/2/3/5/6/7/8/9/10/11/12/13/14/15/16/17/18/19/20/21/22/23/24/25/26/27/28/29/30/31/32(終)」 (下部にある「カテゴリー別・小説一覧」からも他ページに跳べます。※他の小説も混じった「もくじ」になっています。) 長い史学の授業の後には、束の間の休憩時間が入る。 シャーラはいつものように、廊下に出て控えている騎士に声をかけた。 「リアン、お待たせ。さ、お散歩に行きましょう」 「はっ」 騎士は短く返答し、シャーラの一歩後について歩き出す。 彼、リアン・クロフォードは、入れ替わりの激しいシャーラの親衛隊の中では一番の古株であり、彼女の一番の“お気に入
JUGEMテーマ:青春(ヤングアダルト)小説 (「小説家になろう」さんにも重複投稿しています。小説家になろう版はルビ多めです。) 今日の私は、最悪だった。 言うこと、やること、全部裏目に出て、空回りするばかりだった。 こういうことって、結構ある。 口をはさむタイミングとか、言葉の選び方とか、何だかいろいろ不器用で、ヘタクソで、上手くいかない。 ヘンな空気を作ってしまったり、上手く話が噛み合わなかったり……。 微笑 ( わら ) って誤魔化しながら、こっそり心の中だけで凹む。 私、ダメだ。こんなことで周りから好かれるわけない……って。 今日の私は、最悪だった。 心がささくれて、ちょっとしたことが気に障って、親の何気ない一言に、キツい言葉を返してしまった。 悪いのは私の方だって、ちゃんと分かってる。 何て嫌な子なんだろうって、自分で自分が嫌いになる。 上手く行かない日って、なぜだか、とことん上
JUGEMテーマ:青春(ヤングアダルト)小説 (「小説家になろう」さんにも重複投稿しています。小説家になろう版はルビ多めです。) 「テスト勉強やった?」「全然」 このやりとりを、あと何回繰り返さなければいけないのだろう。 繰り返されるたびに、嫌な感じの違和感に襲われる。 まるで「勉強なんてするな」と牽制し合っているようだ。 あるいは、周りの人間のダメさ加減を確認して、安心したいみたいだ。 勉強なんて全然していない、と言いながら、本当はテスト前、焼け石に水のような勉強をしている。 これくらいは「勉強をやった」うちに入らないからと、自分で自分を誤魔化して「勉強なんて全然してない」と口にする。 だけど、それを口にするたびに、嫌な感じの罪悪感に襲われる。 俺は、嘘をついているのだろうか。アイツらを騙しているのだろうか。 仲の良いクラスメイトとの、何気ない日常の中、ふと感じることがある。 「勉強なん
JUGEMテーマ:青春(ヤングアダルト)小説 (「小説家になろう」さんにも重複投稿しています。小説家になろう版はルビ多めです。) その本と出逢ったのは、全くの偶然だった。 いつも一緒に帰る友達が、その日たまたま委員会の仕事で遅くなって、時間をつぶすために何となく、図書室に寄ってみた。 最新のラノベやマンガがそろっているわけでもないその図書室は、いつもほとんど人がいなくて、図書委員が手持ち無沙汰にカウンターに座っているだけだった。 幼い頃は私も、図書室や図書館へ行くのが好きだった。 まだ読んだことのない絵本を見つけては、ワクワクしながらページをめくっていた。 だけど、小学校を卒業してから、だんだんと距離ができてきてしまった気がする。 図書室に並ぶ本の、絵が少なくなって、文字が小さく多くなって、ページ自体も分厚くなっていくにつれ、気軽に手に取りづらくなっていった。 読書が嫌いになったわけじゃな
JUGEMテーマ:猫のいる生活 JUGEMテーマ:青春(ヤングアダルト)小説 (「小説家になろう」さんにも重複投稿しています。小説家になろう版はルビ多めです。) 無償の愛なんてあり得ない、見返りを求めない愛は難しい……なんて言葉をよく聞くが、聞くたびに「何で?」と不思議に思ってきた。 だって、報いや見返りを求めない愛や好意なんて、皆、普通に持っていないか? 当たり前にソレを使っていないか? なのに、ソレが、さも実現困難な人類の“課題”のように言う人たちの、その感覚が、俺にはイマイチ理解できない。 だって、今日もうちのミィは、俺の愛なんて知らん顔で猫パンチを繰り出して来る。 オヤツをあげても、撫でてあげても、機嫌が良いのは最初のうちだけ。 ちょっとしつこく撫で回そうものなら、シャーッと牙を剥いて爪を出して来る。 それでも俺はミィのことを嫌いになったりしないし、世界で一番可愛い猫だと思っている
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