その本と出逢(であ)ったのは、全くの偶然(ぐうぜん)だった。 いつも一緒に帰る友達が、その日たまたま委員会の仕事で遅(おそ)くなって、時間をつぶすために何となく、図書室に寄ってみた。 最新のラノベやマンガがそろっているわけでもないその図書室は、いつもほとんど人がいなくて、図書委員が手持ち無沙汰(ぶさた)にカウンターに座っているだけだった。 幼い頃(ころ)は私も、図書室や図書館へ行くのが好きだった。 まだ読んだことのない絵本を見つけては、ワクワクしながらページをめくっていた。 だけど、小学校を卒業してから、だんだんと距離(きょり)ができてきてしまった気がする。 図書室に並(なら)ぶ本の、絵が少なくなって、文字が小さく多くなって、ページ自体も分厚(ぶあつ)くなっていくにつれ、気軽に手に取りづらくなっていった。 読書が嫌いになったわけじゃない。むしろ、物語に浸(ひた)るのは大好きだ。 だけど……
個人的に、小説をコンパクトに短くまとめるのは、普通に長編を書くよりも難しいことだと思っています。 少ない文字数の中に“中身の濃い内容”を詰め込もうとすると、どうしても説明不足に陥りがちですし… 描写にダラダラ文字数をかけると長編化してしまうため、ある程度そこは削っていくのですが、そうすると小説が、まるでただのダイジェストか「あらすじ」のような“味気ない”ものになりかねません。 しかし、読書離れ(本離れ、活字離れ)が囁かれるこのご時世… 読書に慣れていない世代・客層の人間には、長文が忌避される傾向にあります。 そんな時代の中で、それでも“多くの読者”を獲得したいなら、文章・小説を「短くまとめるスキル」を身につけておく必要があるのではないか…そんな危機感が、自分にはありました。 …そんなわけで、一連のSSシリーズ・短編シリーズは、「1話完結の物語を、なるべくコンパクトにまとめる」スキルを身につ
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