JUGEMテーマ:青春(ヤングアダルト)小説 (このシリーズは「小説家になろう」さんにも同じ内容のものを投稿しています。小説家になろう版はブログ版よりもルビ多めです。) この国では、人の口から発せられる“意味ある音”を、植物になぞらえる。 言(こと)“葉(ば)”。話の“種”。話の“接(つ)ぎ穂(ほ)”。話に“花が咲く”。 昔の人たちは、何を想って、この名付けをしたのだろう。 人の口から放たれた“ 言(こと)”が、視(み)えざる葉になって 空(くう)に繁り、他の人のそれと重なり合って、花を咲かせる――そんな 空想(ゆめ)でも、視ていたのだろうか。 私も時折、そんな妄想に浸る。 私の唇から零れた葉っぱが、蔓を伸ばし、さらなる葉を繁らせ、花束のように、たくさんの花を咲かせる――そんな幻を、夢見る。 実を言うと、おしゃべりは少し苦手だ。 自分の言葉に、自信が持てない。 私には、皆を笑わせるような面