JUGEMテーマ:短編小説 二月の冷たい風に、僕の処刑を見るために集まった冷たい群衆の視線。 最期に見るのがこんな光景だとは、僕もよくよく救われない。 せめて、もう一度、君に会ってから死にたかった。君の顔を見て、君の声を聴いて、君と悲しみを分かち合ってから死にたかった。 だけど、本当は分かっている。君と僕とが同じ気持ちを分かち合うことはできないと。 夫婦として契りを交わしても、心まで分かり合えるわけじゃない。君と僕が互いを分かり合うには、時間があまりに短過ぎた。 式を挙げて一年足らず。実質的に夫婦として共に過ごせたのは、わずか2ヶ月……。 それでも僕は君を愛していたけれど、この想いは、ちゃんと君に伝わっていただろうか。 分かっていて欲しい。だけど、分かってもらえていなくても……君が僕を愛してくれていなくても、仕方がないことなのかも知れない。 僕は君を、この呪われた家系に引きずり込んだ。この