きっと、これは、ありふれた別れなんだろう。 同級生の中にも、既(すで)に祖父母を亡くしている奴は結構(けっこう)いる。 人間、年を取れば、いつかはそういうことになるんだから、当たり前のことなんだ……そう、自分に言い聞かせようとする。 覚悟(かくご)を決める時間なんて、たくさんあったはずだった。 おばあちゃんは、いわゆる余命宣告というやつを受けていて、残された時間が一日一日と減っていくのを、カレンダーを見るたび、思い知らされていた。 その一日一日を数えるたび、身の竦(すく)むような思いでいた。 病院のベッドに寝たきりになったおばあちゃんは、会いに行くたびに、どんどん小さく、細くなっていって、時々ハッとするほど存在感を失(な)くしていた。 確かにそこに横たわっているはずなのに、一瞬ベッドと布団しかないように錯覚(さっかく)するほど、身体の厚みがなくなっていた。 そのうちそのまま、いなくなってし
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