結局、青春なんて、どこにあったんだろう。 三年間、これでも必死に努力してきたつもりだったのに、記録を出すどころか、地区大会の代表にも選ばれなかった。 学園ドラマやスポーツ漫画にあるような熱くてキラキラした青春は、俺の隣(となり)にいた、俺よりずっと才能も実力もあるチームメイトのもので、俺はまるで背景の名も無き観衆のように、そいつらの活躍を応援するだけだった。 一体、何のために毎日汗だくになりながら、辛(つら)い練習をこなしてきたんだろう。 いつかは見つけられるかも知れないと思っていた、競技に打ち込む意味も意義も、結局うすらぼんやりして見えないまま、今日でその辛い練習も終わる。 今まで何度も「苦しい」「辞めたい」と思ってきたはずなのに、いざ「今日で最後」となると湧(わ)き上がってくる、この感情は何だろう。 悔しさだとか未練だとか、そんなありきたりな言葉じゃ説明がつかない。 両手にすくった銀の