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夏休みに関するm25moriのブックマーク (4)

  • 恥知り人のプライド

    物心ついた時から、父親に得体(えたい)の知れない“畏(おそ)れ”を抱(いだ)いている。 うちの父は決して“見るからに恐いタイプ”ではない。 むしろ他人に対して愛想(あいそう)の良い、社交的なタイプだ。 だけど、何となく抗(あらが)い難(がた)い。何となく、逆(さか)らえない何かを感じる。 母親に対しては普通に反発できるのに。 我ながら、不可解(ふかかい)な心理だと思う。 そんな父は、昔から人の言うことを聞かない。 と言うより、俺の(・・)話を聞いてくれない。 自分の中だけで勝手に物事を決めて、それを俺に押しつける。 俺の意見などまるで聞かず、父が良いと思ったものを無理矢理強要(きょうよう)してくる。 塾(じゅく)も、空手教室も、市が主催(しゅさい)のサマーキャンプも、皆(みんな)そうだった。 ひどい時は「どうだ?」とも訊(き)かず「申し込(こ)んでおいたぞ」の事後承諾(じごしょうだく)だ。

    恥知り人のプライド
  • あの夏に置き忘れた君との記憶(プロトタイプ版)1 | 言ノ葉スクラップ・ブッキング〜シーン&シチュ妄想してみた。〜

    JUGEMテーマ:短編小説 ・「あの夏に置き忘れた君との記憶」の第1回です。 (出来上がった所からUPする方式の不定期更新です。) 他のページはコチラ→あの夏に置き忘れた君との記憶2/3/4/5/6/7/ 学校から帰宅すると、隣家の玄関先に幼馴染(おさななじみ)が落ちていた。 玄関タイルもコンクリート 舗装(ほそう)も、何もかもが白く 灼(や)かれて熱を放つ真夏の午後。 少女は日射しから逃れるように、 庇(ひさし)の作るわずかな 陰(かげ)に身を投げ出していた。 創治(そうじ)は "いつもの 悪巫山戯(わるふざけ)" だろうと、呆れ顔で声を掛ける。 「何やってんだ、 愛理咲(ありさ)。そんな所でノビると熱中症になるぞ」 愛理咲は起き上がらぬまま、泣きそうな顔で創治を見上げる。 「創君……。今日ウチ誰もいないのに、 鍵(かぎ)持って出るの忘れちゃった」 「ソレ、下手すると普通に死ぬヤツだろ!

  • 八月の水底から、呼ぶ声が聞こえる。 | 言ノ葉スクラップ・ブッキング〜シーン&シチュ妄想してみた。〜

    JUGEMテーマ:青春(ヤングアダルト)小説 (このシリーズは「小説家になろう」さんにも同じ内容のものを投稿しています。小説家になろう版は、補足情報が無い代わりにルビ多めです。) 小学校に上がったか上がっていないかくらいの頃、一度、プールの底に沈みかけたことがある。 夏休み、初めて行ったそのプールには、様々な形、様々な仕掛け、様々な深さのプールが取り揃えられていた。 中には、子ども用の浅いプールと、大人用の深いプールが、真ん中で区切られているだけで、くっついているものもあった。 たくさんのプールにはしゃいで、あちこち入り回っていた俺は、大人たちが少し目を離したスキに、足の着かない大人用プールに、浮き輪も持たずに飛び込んでしまったのだ。 現在(いま)の俺なら「足が着くか着かないかくらい、ちゃんと見れば分かるだろうに」と思う。 だが、当時の俺には、そんな判断力も育っていなかった。 あるいは、興

    m25mori
    m25mori 2021/08/27
    青春SS「八月の水底から、呼ぶ声が聞こえる。」
  • 八月の水底から、呼ぶ声が聞こえる。

    小学校に上がったか上がっていないかくらいの頃(ころ)、一度、プールの底に沈(しず)みかけたことがある。 夏休み、初めて行ったそのプールには、様々な形、様々な仕掛(しか)け、様々な深さのプールが取り揃(そろ)えられていた。 中には、子ども用の浅いプールと、大人用の深いプールが、真ん中で区切られているだけで、くっついているものもあった。 たくさんのプールにはしゃいで、あちこち入り回っていた俺は、大人たちが少し目を離(はな)したスキに、足の着(つ)かない大人用プールに、浮き輪も持たずに飛び込んでしまったのだ。 現在(いま)の俺なら「足が着くか着かないかくらい、ちゃんと見れば分かるだろうに」と思う。 だが、当時の俺には、そんな判断力も育っていなかった。 あるいは、興奮(こうふん)し過ぎて、冷静な判断ができなくなっていたのかも知れない。 あの時の、ヒヤリとするような感覚を、今でも覚(おぼ)えている。

    八月の水底から、呼ぶ声が聞こえる。
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