おとぎ話の中では、断然『シンデレラ』が好きだった。 ひとりで苦労して頑張(がんば)ってきた子が、報(むく)われてプリンセスになる――こんなに、人の苦労や頑張りを救ってくれる物語はない。 シンデレラへの憧(あこが)れは、私の性格や生き方にも影響(えいきょう)を与えた。 頑張ることは、美しいこと。頑張っていれば、いつか誰かが認(みと)めてくれて、シンデレラにしてくれる――そんなことを信じて、生きてきた。 だけど、そんなの嘘(うそ)だった。 この世界には、灰かぶり(シンデレラ)を見つけてくれる“魔法使い”なんて、いない。 私の頑張(がんば)りを見ていてくれる人なんて、どこにもいない。 家族ですら、認めてくれるのは結果の出た時だけ。 結果を出せずに終わった私の頑張りは、無かったもののように無視される。 結果を出せなくても、楽しいことを我慢(がまん)して、たくさんの時間を使って、辛(つら)いことと向
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