無償の愛なんてあり得ない、見返りを求めない愛は難しい……なんて言葉をよく聞くが、聞くたびに「何で?」と不思議に思ってきた。 だって、報(むく)いや見返りを求めない愛や好意なんて、皆(みんな)、普通に持っていないか? 当たり前にソレを使っていないか? なのに、ソレが、さも実現困難な人類の“課題”のように言う人たちの、その感覚が、俺にはイマイチ理解できない。 だって、今日もうちのミィは、俺の愛なんて知らん顔で猫パンチを繰(く)り出して来る。 オヤツをあげても、撫(な)でてあげても、機嫌(きげん)が良いのは最初のうちだけ。 ちょっとしつこく撫で回そうものなら、シャーッと牙を剥(む)いて爪を出して来る。 それでも俺はミィのことを嫌いになったりしないし、世界で一番可愛い猫だと思っている。 思えば俺は、一目見た時から、ミィに夢中だった。 うちに来たばかりの頃(ころ)のミィは、手のひらに載(の)るほど小