文:小沼理、写真:有村蓮 田中俊之(たなか・としゆき) 1975年生まれ。大正大学心理社会学部准教授、博士(社会学)。男性学の視点から男性について考え、その働き方や生き方の見直しを提言している。著書に『男性学の新展開』(青弓社)、『男がつらいよ──絶望の時代の希望の男性学』(KADOKAWA)、『〈40男〉はなぜ嫌われるか』(イースト新書)、『男が働かない、いいじゃないか!』(講談社+α新書)、共著に『不自由な男たち──その生きづらさは、どこから来るのか』(祥伝社新書)、『中年男ルネッサンス』(イースト新書)など多数。 「男社会」は終わりつつある ——田中先生が研究されている「男性学」とはどんな学問なのでしょうか。 一言で言えば、男性が男性ゆえに抱える生きづらさや葛藤をテーマにした学問です。これまで、職業領域の問題について、女性学では女性の職場での地位や給与が低いこと、結婚や出産などにより