JUGEMテーマ:青春(ヤングアダルト)小説 (このシリーズは「小説家になろう」さんにも同じ内容のものを投稿しています。小説家になろう版はブログ版よりもルビ多めです。) それは、高校卒業を間近に控えた、ある放課後のことだった。 たまたま、あるクラスメイトと、教室に二人きりになった。 それまで、ほとんど話したこともない相手だ。 だけどその時は何となく、どちらからともなく会話を始めていた。 あと少しすれば、もう毎日顔を合わせることもなくなる。 そんな、しんみりとした感傷が、お互い、胸の底に湧いたのかも知れない。 「本当は、ずっと話してみたかったんだ」 彼女は、そう言った。 まるで、憧れの相手に気後(きおく)れして、話しかけられなかったとでも言うように。 「いつも、すごいな……って、思って見てたんだ」 彼女は、私を 褒(ほ)めちぎる。 自分の道を貫く、クールなところが格好良い。 早いうちから目標