■[占領]人口問題 この百年間、日本で人口が問題になったのは軍国主義化するちょっと前の1920年代から30年代、終戦直後、それから人口減少だ、少子化だと騒がれ始めたここ何年かだ。そのうち最初の二つは人口増加、言い方は悪いが過剰人口の処理が問題となった。この二つの時代には海外への移民も行われたが、現在広く知られているようにそれは事実上の棄民だった。 戦前においては、帝国主義政策は人口問題の解決策のひとつでもあった。これは単純に土地を得てそこに人を送るという話ではなく、工業化を進めてそこに人口を吸収させることを目的としており、そのための資源や市場の確保のために支配領域を広げようとしたわけだ。もちろん本土の外に人口を移動させるということもした。満蒙開拓団の主力は継ぐべき土地を持たない農家の次男三男であった。焼け石に水だったが。その結果が「破滅と経済の瓦解に終わり、それによって解決すべく努力した問