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ブックマーク / wagawasurenaba.hatenablog.com (5)

  • ウソの自白に関する本二題ー『自白の心理学』と『本当は間違っている心理学の話』 - わが忘れなば

    冤罪の発生、とりわけ犯人でない人がウソの自白をしてしまう現象について、心理学的に考察したを二冊読んだ。 浜田寿美男『自白の心理学』(岩波新書) スコット・O・リリエンフェルド、スティーヴン・ジェイ・リン、ジョン・ラッシオ、バリー・L・バオアースタン著 八田武志、戸田山和久、唐沢穣監訳『当は間違っている心理学の話 50 の俗説の正体を暴く』(化学同人) 『自白の心理学』では、自白にまつわる三つの問題について、現実の冤罪事件に沿って解答を与えている。即ち、 なぜ犯人でないのに、死刑の可能性が高い事件で、ウソの自白をしてしまうか。 あまつさえ、なぜウソの犯行の詳細を、取調官の要求を満たすよう作り上げてしまうのか。 自白調書の分析(「無知の暴露」の発見等)によって、自白がウソである=冤罪の可能性を示すことができるか。 である。 こので詳しく取り上げられている冤罪事件は、宇和島事件(窃盗)、甲

    ウソの自白に関する本二題ー『自白の心理学』と『本当は間違っている心理学の話』 - わが忘れなば
  • バークレーには「ノーベル賞受賞者専用の駐車場」がある - わが忘れなば

    先日カリフォルニア大学バークレー校に行ってきたのだが、そのとき「バークレーの一番の名所だよ」といわれて案内されたのが、化学科の建物の前の駐車場スペース。 「ノーベル賞受賞者専用」の駐車スペースだ。そんなん用意してもノーベル賞受賞者なんて一度に何人もいないんだからめったに使われないだろうし場所の無駄だろう、とも思ったけど、History & discoveries | University of California, Berkeleyを見ると、バークレーには 8 人もノーベル賞受賞者が在籍していて、個人も含めるといままで 22 人ものノーベル賞受賞者がいたのだそうだ。(バークレーの校友で受賞しているのは 29 人)それだけいれば、使うかもね。 特にノーベル化学賞は、今まで 11 人もとっていて、化学科はバークレーの中心的な存在なんだと聞いた(だから化学科の建物の前にあるんだそうだ)。 (こ

    バークレーには「ノーベル賞受賞者専用の駐車場」がある - わが忘れなば
  • ちょっと昔(少なくとも1950年代くらい)まで、赤子のことを「赤さん」といっていた? - わが忘れなば

    これは、前から気になってたことなんですが、少し古い小説を読むと赤子のことを会話や地の文で(「赤ちゃん」でなく)「赤さん」と呼んでいるというのに出くわすことが何度かありました。 例↓ そのときには今のあき子さんがまだ五つか六つかで、下の坊ちゃんはほんの赤さんであった。 (鈴木三重吉『桑の実』、1914、岩波文庫、p.11) 「普通の赤さんだと先刻(さっき)の痙攣で大概いけねくなるのですがね。よく抵抗しました」 (志賀直哉『和解』、1917、新潮文庫、p.41) 「(前略)その一つは、私がどこかの浜辺の芝生のような所で、暖かい日に照らされて、可愛い赤さんと遊んでいる景色なの、それは可愛い赤さんで、私は姉さまぶって、その子のお守りをしていたのかもしれませんわ。(後略)」 (江戸川乱歩『孤島の鬼』、1929-1930、創元推理文庫、pp.24-25) (強調は全て引用者。以下同じ)ひとつめは地の文

    ちょっと昔(少なくとも1950年代くらい)まで、赤子のことを「赤さん」といっていた? - わが忘れなば
  • ロバート・H・ディッケ 「ディラックの宇宙論とマッハ原理」―「物理学者を作るのに炭素が必要だということはよく知られているのだ」 - わが忘れなば

    ロバート・H・ディッケの論文"Dirac's Cosmology and Mach's Principle" (Nature 192, 440 - 441 (04 November 1961), doi:10.1038/192440a0) の翻訳です。[]内は訳注です。 論文といっても、 1 ページ強の「編集者への手紙」("Letter to editor")です。 「人間原理」(the anthropic principle)のはじまりとなった論文として名高いものですが、もともとはポール・ディラックの「巨大数仮説」に反論した内容です。 この論文に関する日語の解説としては、三浦俊彦『論理学入門』の第二部があります。 論理学入門―推論のセンスとテクニックのために (NHKブックス) 作者: 三浦俊彦出版社/メーカー: 日放送出版協会発売日: 2000/09メディア: 単行購入: 3人

  • 元731部隊の研究者への科学者による批判-上平恒『水とはなにか』感想 - わが忘れなば

    以前、731部隊について勉強したことをまとめて、一部ブログ記事にしたが、防疫給水部が設立されるまでの経緯を書いたところで力尽きてしまった。気にはなっていいるのだが、常石敬一の『医学者たちの組織犯罪ー関東軍第七三一部隊』(朝日文庫、1999、親は朝日新聞社、1994)などを図書館に返してしまったのと、ちょっと長いブログ記事を書くほどの気力がわかないのですぐには取りかかれない。 http://wagawasurenaba.hatenablog.com/entry/2012/09/15/150259 今回は、僕が731部隊のディテールを書いた記述に初めて接したを紹介したい。 学生時代に熱力学の講義で教授にすすめられて、上平恒「水とはなにか-ミクロに見たそのふるまい」(講談社ブルーバックス、1977)というを読んだ。このは、裏表紙に「分子レベルから解き明かす生命と水の関係」とあり、カヴァー

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