この労組は、グループの持ち株会社の役割も果たすサムスンエバーランドなどに勤務する社員が設立した。サムスングループ関連企業の社員などが加入できる「超企業組合」だ。 創業者の強い「遺言」はあったが、サムスングループにまったく労組がなかったわけではない。 だが、サムスングループが買収する以前の企業に労組があったサムスン生命保険(旧東邦生命)、サムスン証券(旧国際証券)や、組合員がわずか数人で「新たな労組設立を防ぐための御用組合」(韓国紙デスク)がある場合だけで、「経営側に対抗する形で労組ができたのは初めて」(同)のことだった。そういう意味で歴史的な労組結成だった。 契機となった労働法改正 韓国では2011年7月1日に労働法が改正になった。その目玉は、企業内に複数の労組を設立することができるようになったことだ。 これまでは認められていなかったため、会社側が御用組合をあらかじめ設立する例があり、労働