日本経済新聞社は3日、日経電子版「テクノロジー」で5~8月に連載した人気コラム「ホンダ イノベーション魂」著者の小林三郎氏を招き、電子版有料会員を対象に特別セミナーを開催した。セミナーは「イノベーションの神髄~挑戦する人と組織のつくりかた」と題した小林氏の講演と、トークセッションの2部構成。小林氏は「新しい技術を生み出せない国は滅びる」「アタマの硬い40歳以上は、若い人たちにイノベーションを委ねるべきだ」などと熱く語った。
メモ代わりに、サマーダボスで参加したセッションと関連して3つの興味深いトピックに関することを書き留めておきたい。 今日は経済成長に関して。 世界経済は一つのターニングポイントを迎えようとしている。2025年には、世界人口の半数が一日10ドル以上で生活をするようになる。この変化に相俟って生じる中間層の増大は、「新しい産業革命」ともよばれる。そこに至るまでの過程には、かなりの変化と混乱が待っているだろう。 では、このポイントまでの成長がどのようにもたらされるのか。いくつかの主要なドライバーがある。 労働力人口の増大 日本にいると感じにくいが、世界人口の半数は27歳以下で、その多くがまだ労働力となっていない。これから10年の間に、若い世代が労働市場に流れ込むことになる。それだけではなく、定年年齢の引上げと女性の社会進出と相俟って、労働力人口はさらに増大するだろう。 労働力人口が増大しても、産業が
インドの医療イノベーションについて、現地にいる友だちからのメールを転載(許可は得ています)。これがまさに途上国・新興国で起こっているイノベーションの一例で、コスト削減と質の向上をともに実現している好例。制度の不在が理由でこのような思い切ったイノベーションが生じるという側面もあるので、日本で同様の取り組みができるのかは分からないけれど、その精神から学ぶべきことは非常に多いと思う。 ------------------------------------------------- Narayana Hrudayalaya病院(以下NH病院)は、南インドのバンガロール郊外にある800床程度の心臓外科専門病院です。バンガロールはInfosysなどインドの代表的なIT企業が多く存在し、「インドのシリコンバレー」と呼ばれる産業の集積地です。街の中心部から車で40分ほどいったところに、NH病院は立地して
表題の件、当該タブレットの発表があってからずっと感じていた違和感を、端的に図で表してくれているHPがありましたので、リンクを貼っておきます。 http://www.cultofmac.com/175204/the-microsoft-surface-vs-the-macbook-air-oooh-so-innovative-humor/ 普通は、このHPの図が物語っているように、 「どこでも仕事に使えるキーボード入力を備えた優れた端末を作りたい。」⇒「平らな場所が無くても、場所を選ばず安定感があって機動的に使える軽いラップトップにしよう」 となるはずなのですが、わざわざキーボード入力の安定感がなく、平らな場所をいちいち探さないといけない端末になってしまっています。 これはたぶん、最初の開発目的が、「どこでも仕事に使えるキーボード入力を備えた優れた端末」といったような、ユーザーのニーズからス
「イノベーションへの解 実践編」は、いわゆる「イノベーションのジレンマ」に対峙するための実践手法が描かれた書籍です。 かなり前に献本を頂いていたのですが、大変遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。 「イノベーションのジレンマ」は、ジェフリームーアのキャズムと並んで個人的な人生で読んだ「目から鱗本」の中でも筆頭に挙げられる書籍ですが、一方でイノベーションのジレンマを乗り越えるための考え方がないという批判も多い書籍だと思います。 著者のクレイトン・クリステンセンは、その指摘に対応する意味も込めて、「イノベーションへの解」や「明日は誰のものか」などを出していますが、今回の「イノベーションへの解 実践編」は、あらためて破壊的イノベーションの再定義から始めており、実質的にイノベーションのジレンマに対する手ほどき書という位置づけになっています。 どちらかというと大企業における新規事業向け
著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly ) 訳 :堺屋七左衛門 この文章は Kevin Kelly による "Why the Impossible Happens More Often" の日本語訳である。 不可能なことが実現する理由 Why the Impossible Happens More Often 不可能と思っていたことが実は可能なのだと自分に言い聞かせる場面が多くなった。過去何十年かの間には、今まで不可能と思いこんでいた発想が、優れた実用的なアイデアだと判明することが何度もあった。たとえば、イーベイというオンラインのフリーマーケット(蚤の市)が最初に出現したとき、私はそれに懐疑的だった。車を売ろうとする未知の他人にお金を払う? 今まで人間の性質として教えられてきたことから考えれば、これはうまくいくはずがない。でも今では、未知の人による自動車販売は、大成功を収めた
徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。 また、ハーバード・ビジネス・スクール・プレスから、非常に面白くて興味深いイノベーションに関する本が出た。 フランス・ヨハンソンと言うスエーデン人の異文化交流に長けた多岐に亘る分野において博識な社会学者(?)の著作で、異文化・異分野の交差点で何故革新的で豊かな発見や発明が行われるのかを克明に活写していて興味が尽きない。 本書のタイトル”The Mediti Effect: Breakthrough Insughts at the Intersection of Ideas, Concepts, and Cultures"が、総てを上手く物語っている。 「メディチ効果:アイデア、コンセプト、そして、文化の交差点での飛躍的・画期的な進歩・発展に関する洞察」と言うことであろうか
今年もあっという間に年の瀬。今年のレビューと来年の目標報告をします(プライベートは割愛)。 (去年のレビューはこちら) 本業について 今の仕事を初めて1年半、もう少し色々なものが見えてきて、自身のプロフェッショナルとしての成長を少し実感できた一年でした。まだまだ分からないことだらけですが、ディールを3件やり、自分でも(最後まではいけなかったけど)案件を作ったりもできました。知識は全く足りていないので、今後経験を積みつつ、日々を無駄にせずに過ごして行こうと思います。 本業に関する来年の目標は四つ。 ・社内でも遠慮せず思うことを言うこと(どうも相手が年上だと遠慮しがちなのだけれど、それを克服) ・今度こそ自分で案件を一つ作ること(そのためには、ディールに忙殺されない時間管理をすること) ・常に仮説を持って臨むこと。毎週開催される投資委員会で必ず質問・提案を持つようにして、それが的を射ていたら○
アップルで働くまで、イノベーションというのは「今にない、新しいものを作ること」だと思ってた。でもそれは違って、イノベーションというのは「未来にある普通のものを作ること」なのです。この違いを理解できるまでかなり時間がかかった。
イノベーションを起こす人に必要なものは、強い想いとしぶとさなのだと感じることが最近多いです。 誰に聞いたか忘れてしまいましたが、ある癌を治した人の話は、僕に強い印象を残しています。 Aさんは、日本で最高の医療技術を誇る国立がんセンターに行きました。 受けた宣告は、生存確率ゼロ。 それを聞いたAさんは国立がんセンターを出ていきました。 病院の先生は、「ここでダメって言うのであれば、どこでも結論は同じだ」と言います。 その相手に対してAさんが話したことはこうです。 「でも、あんたは治せないんだろう。俺は治せると思ってくれる人のところに行くよ。」 僕たちが人生の多くの場面で直面している問題は、これに似ている気がしてなりません。 何か新しいものをつくろうとするとき、例えばマイクロファイナンス機関の調査を現地訪問なしにできるシステムをつくろうとするとき、皆が口を揃えて難しいと言う。それは非常に論理的
前回に引き続き、今年も友人&奥さん&犬連れでアップルストア総本山のパロアルト店に並んでゲットしました、iPhone 3G。 もうiPhone自体についてはあちこちで語り尽くされていますし、今さら私が何かを付け加えたところで、いつも言ってることの繰り返しになってしまうのですが、もう一度あらためて伝えたいことがあります。 iPhoneは、1980年代にパーソナルコンピュータが登場して以来の、約30年ぶりに登場したパラダイムセッターであり、コンピュータ業界、ソフトウェア業界、ウェブ業界、モバイル業界、果てはゲーム業界まで、あらゆる関連セクタの向かう先をたった一つのプロダクトで決定づけてしまったモンスターデバイスです。 おい、そりゃいくらなんでも言い過ぎだろう、と言いたくなる方が多いのはわかります。今のiPhone 3Gを使ってみて、まぁそれなりに綺麗だし使い心地もいいしデザインもいいけど、普通に
第17回 株主重視と消費者保護からイノベーションを殺さないために 2008年1月28日 経済・ビジネスIT社会 コメント: トラックバック (0) (これまでの藤元健太郎の「フロントライン・ビズ」はこちら) ■フィルタリング・裸祭り、なまはげ 今携帯電話のフィルタリングが議論になっている。青少年が出会い系や自殺サイトなどから事件に巻き込まれるのを防ぐために、昨年末に総務省からの要請により各携帯キャリアがコンテンツプロバイダをフィルタリングするサービスを原則18歳未満に適用しようとしている。 これは不特定多数がコミュニケーションする掲示板は対象となる方針で、このままではモバゲータウンやmixiなどは未成年者には不適切なサービスになる。すでに18歳未満でも多くの若い才能が小説やデジタルコンテンツを発信し、多くの新しいコミュニケーションを通じて成長している世界に大きなフタをしようとしているのであ
久しぶりに、時間を忘れて没頭してしまうような本「発想する会社!」(トム・ケリー他著、早川書房)を読みました。 この本は、スタンフォード大学のManagement Science and Engineeringの春学期の授業"Creativity and Innovation"の教科書になっています。 パロアルトにあるIDEOというデザイン会社について書かれている話なのですが、どうやってイノベーションを起こしているかを平易な言葉で綴っています。 ■問題解決にネットワークを使う! 「難しい判断や理解できない問題で行き詰ったときは、自分が知っている限りの頭の切れる人間に相談すること・・・これが問題解決のためのネットワーキング・アプローチ・・・」 そうですよね。一人の人間が知っていることなんてたかがしれています。にもかかわらず、判断はしなければならない。だからこそ、ネットワークが大切になります。シ
Guy Kawasaki / 青木靖 訳 2007年6月28日 Scott Berkunは1994年から1999年までMicrosoftのInternet Explorerチームで働いていた。最近出版された"The Myths of Innovation"(イノベーションの神話)の著者である。また2005年に はベストセラーとなった「アート・オブ・プロジェクトマネジメント」を書い ている。ワシントン大学の大学院でクリエイティブシンキングについて教えており、ニューヨークのGELカンファレンスで「聖なる場所」と題する建築ツアーを行い、イノベーションとデザインとマネジメントをテーマ に執筆を行っている。 彼の新しい本ではイノベーションがどのように起きるかについてのロマンチックな見方を探って(というよりは吹き飛ばして)いる。このQ&Aセッションでは、彼がイノベーションの本当の姿について説明している
不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 すでに『デザイン思考の道具箱―イノベーションを生む会社のつくり方』については、「デザイン戦略とはデザインプロセスを経営戦略として立案すること」や「デザインのプロはいてもWebデザインのプロというのは・・・(続・僕たちはいま何をデザインしているのか?)」で紹介しました。 この本ではデザイン思考がビジネスにおけるイノベーションを表すものとして扱われている点はすでに書いています。ですので、このエントリーでは、前の2つのエントリーでは扱わなかった「デザイン思考」を実践するためのプロセスとプラクティスを中心に紹介したいと思います。 「デザイン思考」のためのプロセス奥出さんは、「デザイン思考」のための「創造のプロセス」として、こんなプロセスを紹介しています。 奥出さん自身が書いているよ
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