ルシール・アザリロヴィック(Lucile Hadzihalilovic)監督作品『エコール(Ecole)』を観る。シアターキノでは,今週で上映終了。 悪くはないのですけれど,褒めるのも難しいです,これ。 以下,内容に関するネタバレを含みます。 物語の筋は,年端のいかない少女を社会から隔離して寄宿舎生活を営ませつつ数年を過ごし,初潮を迎えて〈女性〉としての商品価値が出てきたところで出荷されていく――というもの。もっとも,直截な性的搾取の描写はないし,隠喩に留められているところも多いので,少女の肉体美(特に脚)を映し出す映像作品として鑑賞していたのではそれと気づかないかもしれない。 ストーリーは「塀に囲まれた森」に着いたばかりの最年少者イリスの視点を中心にして始まる。物語内部に視野を留めおく限りにおいては決して悪くはないのですが…… いかんせんプロットが古い。建物や調度品,それに衣装などは18
最も明敏で勤勉な精神が、われわれを途方に暮れさせ、誤った光でわれわれをおだて、誤導するにちがいないような状況において、われわれに真の光を与えてくれるのは、むしろそうした明敏な精神が軽蔑の対象にするような、自然の中にある、ごくありふれた、ときには最もくだらない事物についての、お気楽な観察であろう。(バーク『崇高と美の観念の起源についての哲学的研究』)某論文、書き終えてさっき送りました。一番最後だったようです。ご迷惑をかけてすいません。 バーク、リオタール、ホワイトの崇高論についてねちねちと。リオタールがいちばんきつかったというか、しんどかったですなあ。同じハイデガー的崇高論でも、ホワイトのやつはずっと分かりやすいというか、浅薄というか。 バークもなかなかきつかったわけですが、要するにいいたいことは、 (1)ひとくちに美的体験といっても、恐怖と緊張をもたらす「崇高」は、快と弛緩をもたらす「美」
11日、朝っぱらから、街をブラブラ。初めての街恒例の迷子もあり。で、ちょっと思ったこと。 ワルシャワで面白いのは、いろんな歴史が目に見えること。つまり19世紀の建物があると思えば、 「社会主義リアリズム」な建物もあり、 で、街の中心部には、まさに資本主義化以降の「プレイスレス」なインターナショナル・スタイルのオフィス・ビルやさらには最近のやけにポストモダンな建物まである。 いろんな要素が並立しているってのは、どの街でもあることだけど、ここの場合は、それらが一切溶け合わず、お互いがお互いを無視しているかのように建っている。一般的な意味以上に歴史が「可視化」されているのである(http://blog1.kyoto-seika.jp/gb/?p=35も参照のこと)。 で、問題をさらに複雑にするのが、いわゆる「旧市街」。 第二次世界大戦中に破壊された街を、戦後に「復元」したもので、絵画・写真資料や
「私はダリでしょう?」 ダリ展(http://www.fujitv.co.jp/events/art-net/go/315.html)にいってきました。シュルレアリスムはフロイトから大きく影響を受けたと言われるように無意識的です。ダリの絵は一見、抽象的な絵なのですが、感性的というよりも思考的です。隠し絵や暗示絵など考え抜かれてつくられています。ラカン風にいえば、シュルレアリスムは言語のように構造化された芸術表現と言えるかもしれません。 さらにダリの絵は、心身二元論的であるのかもしれません。その特徴は、身体は物体化されて、ものの中にはめ込まれる感じで描かれることが特徴的です。すなわちその全体からの映し出される心に対して、器質身体は疎外されています。 たとえばダリの「家具栄養物の離乳」(http://www.fujitv.co.jp/events/art-net/go/315_large05.
ニートのデモに参加した。 群れて何かをするのが苦手な方なので、昔、知り合いの女の子から反核デモに一緒に参加しませんかと誘われた時も、そんな文句がつけようもなく立派なことに加担するような人間ではないのでと丁重に断ったことがある。しかし、このビデオ(必見!)を見せられた時には、思わず爆笑して、何としてでも参加するしかないと思った。 高円寺ニート組合と称するグループが「家賃撲滅!家賃をタダにしろ!」をスローガンに、世のニートを糾合し、死ぬほどくだらないデモを繰り広げるというのだから捨てておけない。(写真はかめよん写真館より) このブログでも、ニートのことを何回かとりあげた。「万国のニート、フリーターたちよ団結せよ」という記事では、ニート、フリーターたちは、階級意識に目覚めて、もっと声を上げてもよいのではないかと、おせっかいなことを申し上げた。 そのニートたちが、いよいよ一揆をおこすというのだ。
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