修士論文が終わったのでなんか別のものを書こうと思い、ちょっと考えた結果ベンヤミンを選ぶことにしました。修士論文ではそれなりに抑えた文体で書いていたので、今度はもっと好き勝手な文体で書こうと思ったので、だったらベンヤミンかなあと結論付けたのでした。とりあえず大まかなテーマは「固有名と星座」。比較的初期の文章に焦点が当たると思われます。ということで、以後もつづくか解りませんが、ベンヤミン読書感想文シリーズ開幕。第一弾は表題の通り、『ドイツ・ロマン主義における芸術批評の概念』について。 1、構成 修士論文(なのか?)だけあって、非常に簡潔な構成になっています。第一部「反省」では、フィヒテにおける反省概念を入り口に、それをさらに徹底していったドイツ・ロマン主義(とくにフリードリヒ・シュレーゲルとノヴァーリス)の反省概念を説明する。そして第二部では、そこで提示された反省概念を実装化するものとしてのド