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ブックマーク / charis.hatenadiary.com (3)

  • 橋本治『あなたの苦手な彼女について』 - charisの美学日誌

    [読書] 橋治『あなたの苦手な彼女について』(ちくま新書 08年12月刊) (写真は、キャリアウーマンの草分け、清少納言[上村松園絵]。女性はすだれ越しに男性と話すのがしきたりだった。) タイトルの「あなたの苦手な彼女」とは、現代の自立的な女性、もう少し具体的には、フェミニズムを体現しているような現代女性のこと。著者は、屈折したものの言い方をする人なので、書は、フェミニズム批判のようでもあり、ミソジニーのつぶやきのようでもあり、批評という仮象のもとで女性にエールを送っているようでもあり、一風変わったである。第1章が冗長なので、その先が読まれないのではないかと危惧されるが、著者は日の古典文学に詳しい人なので、女性や結婚の在り方を長い歴史の中で相対化してみせる議論に、個性が感じられる。たとえば、清少納言はキャリアウーマンの先駆けのような人で、男性との知的な駆け引きが大好きだった。枕草子

    橋本治『あなたの苦手な彼女について』 - charisの美学日誌
    mn_kr
    mn_kr 2009/02/04
    ““<得られてしかるべきものは得た。あとは結婚だけだ>というのは、古くからある男のあり方です」(226)”そしてその「(一人でいては)得難いもの」を互いに求め合うのが現代の駆け引き。 ”
  • 北村文ほか『合コンの社会学』 - charisの美学日誌

    [読書] 北村文・阿部真大『合コンの社会学』(光文社新書、07.12月刊) (写真右は、ジェイン・オースティン『エマ』のダンスパーティ。下図は、現代日における未婚率の上昇。2005年では、30代前半の男48%、女33%が、30代後半の男31%、女19%が、未婚。これは全国平均であり、東京はこれより10%近く高い。) 現代の若者は、第三者が選んだ特定の相手との「お見合い」や、条件などを事前に明示する「結婚相談所」のようなものを不自然と感じる。そうした若者が自発的で自然な出会いを求めて行われるのが「合コン」である(男子コンパと女子コンパを合同で、というのが語源)。現代の合コンは、企画者が最初の段階から参加メンバーを慎重に選別しているにもかかわらず、収入、学歴、社会的地位などは前面に出さず、自由で偶然の出会いであるかのように巧みに演出される。そして、参加者が嫌な思いをしないように、さまざまな暗

    北村文ほか『合コンの社会学』 - charisの美学日誌
    mn_kr
    mn_kr 2008/02/12
    オースティンの小説との比較。結婚の価値は、自分で人生を創り上げることにこそある。
  • 斉藤慶典『デリダ』 - charisの美学日誌

    [読書] 斉藤慶典『デリダ − なぜ「脱-構築」は正義なのか』(NHK出版) 斉藤氏の新著が出た。デリダについては、すでに高橋哲哉氏の優れた解説書があるが(『デリダ−脱構築』講談社 1998)、書の特徴は、「脱構築」と正義との一体性に焦点を絞っている点にある。やや重い文体ながら、粘り強い思索によってジリジリと対象に肉薄していく斉藤氏ならではの好著といえよう。プラトン以来の「同一性の形而上学」を批判するデリダの「脱構築」は、際限のない相対主義に導くものだと批判されることがある。だが斉藤氏によれば、そうではない。斉藤氏は、デリダの初期の「記号」「痕跡」「エクリチュール」といった概念にこだわることによって、それが後期デリダの正義論を開花させたことを明らかにする。 デリダによれば、世界は「表現されたもの」「現象」「痕跡」であり、広義の「記号」あるいは「テクスト」である。世界がテクストであるだけな

    斉藤慶典『デリダ』 - charisの美学日誌
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