[読書] 橋本治『あなたの苦手な彼女について』(ちくま新書 08年12月刊) (写真は、キャリアウーマンの草分け、清少納言[上村松園絵]。女性はすだれ越しに男性と話すのがしきたりだった。) タイトルの「あなたの苦手な彼女」とは、現代の自立的な女性、もう少し具体的には、フェミニズムを体現しているような現代女性のこと。著者は、屈折したものの言い方をする人なので、本書は、フェミニズム批判のようでもあり、ミソジニーのつぶやきのようでもあり、批評という仮象のもとで女性にエールを送っているようでもあり、一風変わった本である。第1章が冗長なので、その先が読まれないのではないかと危惧されるが、著者は日本の古典文学に詳しい人なので、女性や結婚の在り方を長い歴史の中で相対化してみせる議論に、個性が感じられる。たとえば、清少納言はキャリアウーマンの先駆けのような人で、男性との知的な駆け引きが大好きだった。枕草子
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