「吉田松陰は山県有朋が創った虚像である!」 「久坂玄端は天皇拉致未遂犯である!」 「勝海舟は裏切り者である!」 「長州藩はテロリスト集団である!」 このように、新聞広告にはなんとも刺激的な惹句が並ぶ。日本を近代化に導いたと教えられてきた明治維新を全否定する歴史書が、ベストセラーになっている。ヒットの背景を探ってみると、やはりあの“遺恨”があった。 歴史書としては異例の5万部を超えるヒットとなっているのは、「日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト」のサブタイトルを冠した『明治維新という過ち』。出版元・毎日ワンズの松藤竹二郎社長がいう。 「立花隆氏が週刊文春、斎藤美奈子氏が週刊朝日の書評で取り上げて話題になりました。ただし、読みもしないで新聞広告を見ただけで抗議をしてくる人も多いんです」 著者の原田伊織氏は69歳で、作家のほかクリエイティブディレクターとしても活躍する人物。なぜこんな刺激的な歴
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