教育に従事する人、教育政策や教育研究に従事する人、AI研究、言語処理研究に従事する人、政策を決める役割を担う人、小中学生の子どもを持つ親、民主的な社会で社会的・政治的・経済的な活動に参加する人、つまりすべての人に。 本書は、対象化されたテーマをめぐる明示的な議論を前向きに追うというかたちで読み、暫定的に自分を世界の外において、その議論を理解することを「読むこと」と規定するならば、読みやすい。けれども、本書には、そのような読み方をするだけでは読み落としてしまう、大切なことが含まれている。非常に大雑把に言うと、それは私たちが私たちについてわかっていないことに謙虚になったときに初めて見えてくるわかっていること(あるいはわかっていなさ)をめぐるもので、「意識さえせずにwhatは分かっているという前提でhowを論ずるときに事態はどのようになるか」をめぐるものと言える。この部分は、「意識さえせずにwh