先週、久々に日本通信・最高財務責任者の福田尚久氏にお会いした。この連載の読者には“プリペイド方式の無線通信パッケージ「b-mobile」を販売している会社”と紹介する方が分かり易いかもしれない。 福田氏は'93年からアップルコンピュータジャパンに所属し、その後、日本でのマーケティング能力を買われ、スティーブ・ジョブズ氏がAppleにCEOとして復帰した際に米Apple Computer本社のボードメンバーとして招集された人物。その後、Appleが復活への道を歩むことになった戦略の一部も担当していた。製品としては初代の15型PowerBook(Titanium)とiPodの企画、事業戦略面ではApple直営店(その後のApple Store)の基礎を作り、戦略を推し進めた。 同氏の話を聞いていると、なぜ近年のAppleがここまでの見事な復活を果たしたのかが見えてくる。今の若い世代のApple
PCをマニアのおもちゃからビジネスの道具に変えた最初のソフトウェアは、Apple II用のビジカルク('79年)だとされている。その発売から実に30年近くが経過したが、表計算ソフトの基本は何も変わっちゃいない。これからも、イノベーションが起こることはないのだろうか。 ●表計算ソフトの新しい歴史が始まる アップルが、ビジネスアプリスウィートの「iWork '08」をリリースした。今回の目玉は、鳴り物入りで登場したMac用の表計算ソフトNumbersの追加だ。 ビジカルク('79年)、マルチプラン('82年)、ロータス1-2-3('83年)、Excel(Mac版'85年、Windows版'87年)と、表計算ソフトのデファクトスタンダードは、時代ごとに変わってきてはいるが、縦横に広がるセルで構成された電子の表に、数値や文字、計算式を入れていくという、基本的な考え方はほとんど変わってはいない。 ス
■笠原一輝のユビキタス情報局■ Windows Media Centerとアクトビラってライバル? 筆者はこの連載でWindows XP Media Center Edition(MCE)をたびたび取り上げてきたが、その最大の特徴だったリモコン操作のユーザーインターフェイスであるWindows Media Centerは、Windows Vistaの家庭向けSKU(製品種別)のうち、Home PremiumとUltimateに標準で搭載されており、今後Vistaの普及とともに急速にインストールベースが上昇していくことになるだろう。 筆者はこの連載で、Media Centerの特徴はTV録画や音楽、動画などの再生プラットフォームとしてだけではなく、メディアサービスのポータルとして利用できる「メディアオンライン」も、もう1つの特徴であると述べてきた。メディアオンラインサービスは2006年の春頃
前回、Windows Vista RTMファーストインプレッションの記事を掲載した。文末に(つづく)とあったのは、実は本音で書き出すと趣旨から外れてしまう内容になるため、抑えながら書いていたのだ。 今回はその抑えてた部分を一気に書く。市場としてはこれから盛り上がると言うのに、水を差すのは申しわけないと思うが、筆者一個人の意見として読んで頂ければと思う。 Text by Kazuhisa Nishikawa 前回、いまどきのマシンとして使ったのは、エプソンダイレクトの「Endeavor Pro4000」。確かにWindows Vistaは快適に使えたものの、CPU:Core 2 Duo E6600(2.40GHz) 、HDD:400GB/SATA II/7,200rpm、メモリ:2GB(1GB×2) PC2-5300 デュアルチャネル DDR2 SDRAM 、ビデオ:ATI Radeon X
リビングのPCは、LAN上の各ビデオサーバー上にあるコンテンツの再生のほか、WebアクセスやSkype、iTunes、フォトビューア、そのほか諸々のPC上のユーティリティツールのために使っている。PC以外のクライアントも考えなかったわけではないが、結局、PCアプリと、PCの使い勝手が便利と判断した。もっとも、実行するタスクは、重くてもWMVのデコードまでなので、使い古しの非力マシンを転用。リビング用に静音キューブを組む計画だったのが、暇がなくてずるずるとそのままになっている。 ちなみに、ルーターとHubはリビングの真下、1階の仕事部屋にある。リビングの床にはぽっかりと直径5cmの“穴”が空いていて、仕事部屋まで通じている。これもまた、よく笑われる。家を建てる時に、LANケーブルを通すより、将来にわたってフレキシブルに使える穴を開けようと考えた結果だ。数10本までのケーブルが通る太さなので、
2005年の1月、『Blogサーバーの引越し(中?)』という記事を書き、最終的にsbと言うブログエンジンを使い、自前でブログサーバーを構築した。現在もそのまま運営しているが、実はあの話には続きがある。 その後、SNSにも興味を持ち、今話題のmixiやGREEはもちろん、米国のMy Space.comなども会員になり、それなりに遊んでいたのだが、何か違う……。ではブログ同様、自前でサーバーを上げ、カスタマイズすればと、オープンソースのSNS、OpenPNEも試してみたがこれも趣向に合わない。「自分の欲しいSNSが無いなら一から作るか!(笑)」と始めだしたのが、このblueプロジェクトだった。 Text by Kazuhisa Nishikawa 実際SNSに参加している人も多いと思うが、機能的には日記、メッセージ、コミュニティ、この3つが大きな柱となり、加えて写真やスケジュール、レビューなど
6月23日(現地時間)、MicrosoftはWinFSの開発中止を表明した。 形式こそWinFSチームのブログによるWinFS情報のアップデートであるものの、その内容はWinFSを単体のコンポーネントとして提供する計画はなくなった、というものだ。WinFSの開発工程において得られた技術は、将来提供されるSQL ServerやADO.NETに応用されるものの、「WinFS」という1つのソフトウェアパッケージとしてリリースされることはもはやない。 もともとWinFSは、次世代Windows(今のWindows Vista)に採用される将来のファイルシステムとして考えられたものだ。当初のWinFSの構想ではWindows自身を含むすべてのデータが、SQLベースのデータベースに置かれるという野心的なプロジェクトだった。その後、WinFSはNTFS上にインプリメントされることになり、同時にWindo
先週、Microsoftは3回もの記者説明会を開催した。そのうちの1つは「Office System 2007」である。 PC Watchを訪れる読者の多くにとって、Microsoft Officeは積極的に活用するアプリケーションではなく、会社などで与えられた書類作成のための道具でしかないかもしれない。 かつてはWindowsを使いこなし、Officeを用いて書類作成ができることこそが「PCを使える」という証のように言われていたが、それも今や昔話でしかない。Officeが新バージョンといっても、いま1つハートには響かない。そう感じる人も多いはずだ。 そう感じる理由の1つには、近年のOfficeが個別のツールの改良(も、もちろん施しているが)よりも、企業向けソリューションの提供にフォーカスを当てていたせいもあるだろう。必要な人にとっては重要なOffice関連の情報も、個人でパソコンを使うユ
CES取材のため、2日に成田を発った。年の初め、2日ともなれば、みんなきっと自宅や実家でゆっくりしているに違いないと思ったら、高速道路も空港も普段より遙かに混雑していた。空港職員によると意外なほど成田が混む日なのだとか。 ●iTMSの成功と、あまりに情けない…… 昨年、IT業界での一番の成功例は、個人的には「iTunes Music Store」だろう。あれだけ頑なだった音楽業界が変わりつつある事は、少しづつだが楽曲を提供する音楽出版社が増えている事からも明らかだ。 「iTMSに比べるとMoraは少しがんばらないと」というコメントが出る事もあるが、これはあまりにも遠慮しすぎだ。実際のビジネスサイズとなると、NetMDからのユーザーやアジア系メーカーの安価なプレーヤのユーザーも取り込むMoraもそれなりに売り上げを伸ばしてはいるが、サービスとしての“質”となれば圧倒的に差があるのが現実だ。ま
Microsoftは、OEMや関係各社に、次期OS「Windows Vista(Longhorn:ロングホーン)」のβ2のスケジュール変更を通知。β2を4月にスキップさせる代わりに、β2の段階ではコードを大きくはいじらないようにすることで、10月リリースを実現しようと急ぎ始めた。「β2を遅らせて完成度を高めることで、β2を事実上RC0(Release Candidate:出荷候補)として、スケジュールを守る計画だ」とある業界関係者は語る。 MicrosoftがオンスケジュールでWindows Vistaのローンチを進める方針を明確にしたため、ハードウェアベンダーもWindows Vista対応ハードを2006年春までに揃えようと急ぎ始めた。Microsoft側も、2006年4月頃からは、Windows Vistaに対応できるハードに対するロゴプログラム、通称“Vista Ready”も開始
Microsoftの本社がある米ワシントン州レドモンドのキャンパスには、同社の製品や将来コンセプトに関わるさまざまな展示物がある。最新製品が家庭やオフィスの中で、どのように使われるのかを提案するためのスペースや、将来のコンピューティング環境をコンセプトとして見せるスペースなどだ。 後者、すなわち未来コンセプトを示す展示スペースは大きく分けて2つあり、いずれもエグゼクティブブリーフィングセンターという建物の中にある。ひとつは住宅にどのように情報技術を応用していくのか。玄関の鍵を開けるところから、キッチン、リビング、ベッドルーム、子供部屋の中にさりげなく配置された最新情報システムを見せるのがMicrosoft Homeという施設。 そして、仕事の効率アップや業務改善を今後、どのように行なっていくのかをエンドユーザーにも分かりやすく体感させてくれるのが、Center for Informatio
9月16日(現地時間)、Microsoftのソフトウェア開発者向けカンファレンス「Professional Developers Conference(PDC)2005」が4日間の日程を終えた。 もともとソフトウェア開発のプロ向けという事もあり、PDCはエンドユーザーにとって縁遠い印象があるかもしれないが、そこには数多くのエンドユーザー自身が将来体験するであろう、コンピューティング環境の未来を示すエッセンスが詰まっている。 会期を終えての率直な感想を言えば、“よくここまで仕上げたものだ”と少々驚きを持って伝える事ができる。OSの核の部分に関しては、今後も継続してウォッチを続ける必要があるとは思うが、開発者が触れるアプリケーション開発のためのFoundationは、想像していたよりもずっと高い完成度を示しているようだ。 アプリケーション開発のためのプラットフォームとして、次世代のWindow
9月13日~16日(現地時間) 会場:米ロサンゼルス市コンベンションセンター PDC(Professional Developers Conference)の2日目の基調講演(プログラム上ではジェネラルセッションとなっているのだが、MicrosoftのPressPassなどではKeynoteになっている)は、Server and Tools Business担当上級副社長のエリック・ラダー(Eric Rudder)とOffice担当上級副社長のスティーブン・シノフスキー(Steven Sinofsky)が行なった。ここでは、ラダー上級副社長のスピーチを中心にレポートする。 ●Windows Workflow Foundationや開発ツールを発表 ラダー上級副社長のスピーチでは、いくつかの製品、技術が発表された。それは、 ・Windows Workflow Foundation(WWF)
9月7日と8日、Appleとソニーの2社が相次いでポータブルオーディオプレーヤーを発表した。Appleの発表は、時差の関係で日本では8日となったため、9月8日に両社の発表が集中したことになる。 これを受けて、口コミからマスコミまで、両者の製品が話題になった。が、ちょっと違和感を感じたのは、これを「2強の激突」と表現するメディアがかなりあることだ。筆者の個人的感覚では、現世代の決着はすでにAppleの勝利でついている。 確かに国内市場だけを見れば、市場シェア2位のソニーは健闘しているといえるかもしれない。だが、最大市場である北米において、デジタルオーディオプレーヤーをめぐる勝負は決している。米国の量販店では、単にiPod本体だけでなく、サードパーティ製のさまざまな周辺機器、アクセサリが日本以上にあふれている。リリースによると、iPod専用アクセサリの数は千種類を超えるという。自動車メーカーも
日本国内における「iTunes Music Store」の営業が始まった。先行していた国内音楽配信各社は、それにあわせるようにして既存楽曲の価格を下げたようだが、これは、レコード会社側から配信楽曲の料金改定方針が提示されたからのようだ。各社がほぼ横並びの状態だった日本の音楽配信だが、iTMSは、どんな魔法を使って、レコード会社を納得させたのだろうか。いずれにしても、こうして、業界は再編成され音楽の流通は変わっていく。 ●放送と通信を区別するのはもう古い 放送と通信の融合は、20世紀からの大きな課題だが、未だに実現されていないことのひとつでもある。最近の新聞報道などを読んでいると、デジタル放送とアナログ放送、UHF帯とVHF帯、BS帯のそれぞれの特徴を混同したものが目につき、これじゃ、読者は混乱するだけなのにと思ったりもする。 直近の話題のひとつに、放送番組のIPマルチキャストを条件付きで総
COMPUTEXは、じめじめしている上に日が照りつけて非常に暑いという“台湾晴れ(?)”状態の台北で31日よりスタートしている。会場ではIntelの新しいデュアルコアCPUに対応したチップセット(Intel 955X/945)を搭載したマザーボードや、ATIから発表されたマルチGPUプラットフォーム“CrossFire”のデモなどが行なわれている。 例年のことながら、進むも引くも大変という人でいっぱいなCOMPUTEXだが、会場となるTWTC(台北ワールドトレードセンター)に隣接するGrand Hyattホテルでは、各ベンダが限られた取引先などだけに向けた展示を行なっている。 その中の1つに、DLNAガイドラインに対応したホームネットワークソフトウェアの“DiXiM”を提供するデジオンがある。ここでは、DLNAガイドラインに対応予定のデジタルメディアサーバー(DMS)とデジタルメディアプレ
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