フィリップ・ド・ショーヴロン監督自身はカトリック教徒のフランス人なのですが、アフリカ系の血を継ぐ女性と結婚しました。この作品には監督自身のリアルな体験が反映されています。 民族間のギャップはデリケートな問題ですが、フランスならではのエスプリの利いたジョークによってエンターテインメントに昇華させています。 今まで違う価値観で生きてきた人が一緒に住むということは、お互いの努力が必要ですが、そのことをコメディタッチで描いているのが、この『最高の花婿』シリーズだと思います。 カンヌで出会った移民一家の物語 ――この作品とはどこで出会ったのでしょうか。 カンヌ映画祭に併設されたマーケット(見本市)でした。シリーズの最初の『最高の花婿』が公開された途端に観客動員数700万人を記録したのですが、桁違いのヒットは、映画関係者で話題になっていたので、マーケットで最初の試写が行われたんです。各国の買い付け担当